女の勘 ページ10
午後8時。
「もう…帰り際に急ぎの仕事とか頼む…？信じられない…。」
ボヤきながら歩く道のり。
日中は暇なくらいだったのに、カバンに荷物を詰め終わった直後、明日まで、と仕事を頼まれた。
それが思いのほか手こずって、結局遅くなってしまった。
「急がなきゃ…。」
帰宅ラッシュが終わっても、まだ人の多い駅に飛び込んだ。
一方。
六本木の会員制クラブ。
扉の外まで、人があふれていた。
カウンターで足を組み替える。
腕の時計を見て肘をついた。
RH「遅いなぁ…。予定ないって言ってたのに…。」
グラスの中身を飲み干せば、すぐに次が出された。
RO「さっきから、どうしたの？」
空いたグラスを持ってカウンターに戻ってくる。
RH「友達が来ない！」
RO「友達？誰？」
RH「玲於に紹介したこと無かったかなぁ。」
グルッと賑やかなフロアを見渡す。
RO「いつものメンツじゃん。」
RH「大事な子なの。」
RO「大事な子…？」
首を捻る。
ポンと被っていた帽子に乗った手。
ツバを持ち上げて顔を上げた。
RO「あ、登坂さん。」
RH「臣ちゃん遅い！」
OM「仕事。」
近づいてくるバーテンダー。
OM「ビール。」
頼めば、瓶にライムの刺さったビールが出て来た。
OM「で？」
RH「で？って？」
OM「俺は絶対、なんて何があんの？」
RH「何も。」
OM「は？」
RH「ちょっと話があったの。」
OM「話？何？」
チラッと玲於に投げた視線。
それを察してか、すぐ人混みに戻っていく。
椅子をクルッと回すと、正面に向き直った。
RH「臣ちゃんさ…。」
もったいぶった間。
OM「なんだよ？」
RH「Aと会ってんの…？」
OM「え…。」
RH「遊びならやめてよね…。」
OM「急すぎて話が見えない。」
RH「この間、事務所飛び出してったって。」
ナオトさん…
すぐ言う…
あの人は…
OM「Aとなんの関係があるんだよ…。」
RH「女の勘ね。」
フン、と鼻で笑った。
RH「Aには…幸せになって欲しいの…。」
OM「俺じゃ幸せに出来ないって？(笑)」
RH「正確には…。」
私たちのような世界に住む人間には…
RH「かな…。」
OM「リエちゃんも含まれてんじゃん(笑)」
RH「同じよ…。」
あの日…
Aが世界で一人ぼっちになってしまった日…
傍に居たのに…
私は…
見ているだけだった…
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ままりぉ。(プロフ) - ゆいさん» コメントありがとうございます！毎日の楽しみが増えてくれたら嬉しいな。今度こそ完結目指して頑張ります！ (2019年5月3日 8時) (
レス) id: 93d184a48a (このIDを非表示/違反報告)
ままりぉ。(プロフ) - りなgさん» なんか思った以上にドロドロしてしまいました（笑）でも気になりますね！ (2019年5月3日 8時) (レス) id: 93d184a48a (このIDを非表示/違反報告)
ゆい(プロフ) - 続きが気になります！更新頑張ってください！待ってます！ (2019年5月3日 1時) (レス) id: 48eab865b8 (このIDを非表示/違反報告)
りなg(プロフ) - もどかし過ぎるー！！NAOTOさんの言葉の意味は…？理由があって付き合ってた…。ますます気になります(>_<) (2019年5月1日 23時) (レス) id: 12a3518566 (このIDを非表示/違反報告)
ままりぉ。(プロフ) - りなgさん» いつもコメントくれてありがとう。前のも終わってないのに新しいものを書いてしまいました。先はまだまだ長いですが、気長にお付き合いください。 (2019年4月30日 15時) (レス) id: 93d184a48a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ままりぉ。 | 作成日時：2019年4月20日 9時
