憤り ページ41
NA「俺たちには限界がある…。」
「限界…？お姉ちゃんは…臣さんと付き合ってたのに…？」
NA「あれは…俺達も知らなかった…。知った時にはもう付き合ってたんだ…。」
「だったら…知ってたらお姉ちゃんにも同じ事を言いましたか…？」
NA「A…。」
「どうなんですか…？」
NA「それは…。」
最後まで言わせず続けた。
「言わないんですよね？私はダメで、お姉ちゃんはいいんですか！？」
段々大きくなっていく声。
「普通、普通って！普通ってなんですか！？誰かを好きになるのに普通も普通じゃないもあるんですか！？」
いつの間にか周囲の視線を集めていることにも気付かない。
「私には平凡がお似合いだって！？ナオトさんたちが生きてる世界なんて到底手が届かなくて、そんな高望みするなって事ですかっ！？お姉ちゃんならいいのにっ！？」
NA「A…落ち着いて…。」
「私は落ち着いてますっ！！」
落ち着いているという割に、息を乱していた。
テーブルの上の鍵。
グッと握ってカバンに押し込む。
「臣さんは…いつだって誰よりも私の事を気にかけてくれてた…。私は…そんな臣さんに…これからもそばにいて欲しいと思って…鍵を渡しました…。」
俯いたまま立ち上がる。
「それを…とやかく言われる筋合いはありません…。」
NA「A…俺はAの事を心配してっ…。」
「大きお世話です…。」
怖い顔でナオトを見た。
「私は…大丈夫です…。自分の事は自分でやれますから…。」
ペコッと頭を下げた。
「お呼び立てしてすいません…。鍵…ありがとうござました…。」
NA「Aっ！？」
ツカツカと足早に出て行ってしまった。
NA「はぁ……。」
ため息をついて椅子にもたれかかる。
違うんだ…
違うんだよ…A…
臣ちゃんが美波と付き合っていたのは…
被っていた帽子を取って髪をクシャクシャと引っかく。
あらわになったのがナオトだと分かれば、余計にざわつきが大きくなった。
カフェを出てきたAは大通りで足を止めた。
人混みの中。
戻って来た鍵をカバンから取り出して見つめる。
"次の仕事が終わったらウチに来ないか…"
臣の言葉を頭に流しながら、鍵をカバンにしまう。
そしてまた、人の波に乗った。
普通の恋愛…
普通の結婚…
平和な家庭…
そんなもの…
私には無理に決まってるじゃない…
私なんかに…
込み上げるもの。
鼻を何度もすすった。
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ままりぉ。(プロフ) - ゆいさん» コメントありがとうございます！毎日の楽しみが増えてくれたら嬉しいな。今度こそ完結目指して頑張ります！ (2019年5月3日 8時) (
レス) id: 93d184a48a (このIDを非表示/違反報告)
ままりぉ。(プロフ) - りなgさん» なんか思った以上にドロドロしてしまいました（笑）でも気になりますね！ (2019年5月3日 8時) (レス) id: 93d184a48a (このIDを非表示/違反報告)
ゆい(プロフ) - 続きが気になります！更新頑張ってください！待ってます！ (2019年5月3日 1時) (レス) id: 48eab865b8 (このIDを非表示/違反報告)
りなg(プロフ) - もどかし過ぎるー！！NAOTOさんの言葉の意味は…？理由があって付き合ってた…。ますます気になります(>_<) (2019年5月1日 23時) (レス) id: 12a3518566 (このIDを非表示/違反報告)
ままりぉ。(プロフ) - りなgさん» いつもコメントくれてありがとう。前のも終わってないのに新しいものを書いてしまいました。先はまだまだ長いですが、気長にお付き合いください。 (2019年4月30日 15時) (レス) id: 93d184a48a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ままりぉ。 | 作成日時：2019年4月20日 9時
