普通 ページ40
それから数日後。
表参道のおしゃれなカフェ。
観光客や買い物客でごった返している表通りから少し奥に入った所。
カランカラン…
少し鈍い鈴の音。
※「いらっしゃいませ〜。」
元気な声。
店内をグルッと見回すと、窓際の隅で携帯に視線を落としている姿を見つける。
NA「なになになに〜。会いたいなんて連絡してくれちゃって(笑)」
「あっ、ナオトさん！」
向かい側に腰を下ろした。
「すいません、忙しいのに。」
NA「全然〜！って訳でも正直無いんだ。あんまり時間取れないけどごめんね。」
そう言われて首を横に振った。
NA「どうしたの？Aから連絡くれるなんて嬉しくて、テンションあがっちゃったよ(笑)」
ニコニコ笑顔のナオトを見てクスッと笑う。
「あの。持ってますよね？」
NA「持ってる？何を？」
「私の家の鍵。」
笑顔が曇った。
NA「返してもらって来いって…？」
「え？」
NA「臣ちゃんに言われて来たんでしょ…？」
「あ、そういう訳じゃ…。」
苦笑いで肩を竦めた。
カバンの中から三代目JSBのロゴがついた鍵を取り出すと、テーブルに乗せた。
「預かってくれてありがとう。」
ニッコリ笑って鍵に伸ばした手。
ナオトは鍵の上に手を乗せた。
「えっ。」
取らせてもらえない鍵。
「ナオトさん？」
いつもの茶化した雰囲気は無い。
真剣な眼差しが見つめて来た。
NA「これを…また臣ちゃんに渡す気なら返せない…。」
「…どうして…ですか？」
NA「男に簡単に鍵なんか渡しちゃダメだよ…。」
「え…でも…臣さんですよ…？」
NA「俺でもダメ。Aは年頃の女の子なんだよ？」
そう言われて困った顔。
NA「まさか…臣ちゃんと変な関係になったりしてないよね…？」
「変な関係…って…。」
NA「例えば……男と女の関係……とか。」
動揺丸出しなのに笑って見せる。
「や、やだな…。何ですか、それは(笑)」
NA「Aは、幸せにならなきゃならない。普通に恋をして、普通に結婚して、普通に子供を産んで、平和な家庭を築く。」
「普通って…ナオトさんたちも普通ですよ…(笑)」
NA「俺たちには、どうしたって三代目って言う名前が乗ってくる。」
「でも…こうして表参道なんかで私と会えるじゃないですか(笑)」
小さな手が、ギュッとカバンを握りしめていた。
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ままりぉ。(プロフ) - ゆいさん» コメントありがとうございます！毎日の楽しみが増えてくれたら嬉しいな。今度こそ完結目指して頑張ります！ (2019年5月3日 8時) (
レス) id: 93d184a48a (このIDを非表示/違反報告)
ままりぉ。(プロフ) - りなgさん» なんか思った以上にドロドロしてしまいました（笑）でも気になりますね！ (2019年5月3日 8時) (レス) id: 93d184a48a (このIDを非表示/違反報告)
ゆい(プロフ) - 続きが気になります！更新頑張ってください！待ってます！ (2019年5月3日 1時) (レス) id: 48eab865b8 (このIDを非表示/違反報告)
りなg(プロフ) - もどかし過ぎるー！！NAOTOさんの言葉の意味は…？理由があって付き合ってた…。ますます気になります(>_<) (2019年5月1日 23時) (レス) id: 12a3518566 (このIDを非表示/違反報告)
ままりぉ。(プロフ) - りなgさん» いつもコメントくれてありがとう。前のも終わってないのに新しいものを書いてしまいました。先はまだまだ長いですが、気長にお付き合いください。 (2019年4月30日 15時) (レス) id: 93d184a48a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ままりぉ。 | 作成日時：2019年4月20日 9時
