トイレ ページ28
YK「そう。大変だったわね…。なんかごめんね。」
「あっ、いえ。そういう意味じゃ…。」
逆に嫌味みたいになってしまって肩を竦めた。
YK「ねぇ。」
「はい？」
YK「Aって、付き合ってる人とかいるの？」
「えっ！？」
ガタンとカウンターが揺れた。
YK「そんなに驚く？(笑)」
「だ、だって急だったから…。」
YK「こういう話、した事ないなぁって思ったの。」
「確かに…。」
YK「ねぇ、いるの？」
体を寄せて迫られると、逆に身を引いた。
「い、いませんよ…。」
YK「ふーん。いないんだ？じゃあ好きな人は？」
「好きな人…？」
パッと浮かんだ玲於の顔。
鼻をくすぐるコロンの匂いがした気がした。
YK「その顔はいるって感じね(笑)」
「いっ、いませんよ…。」
YK「誤魔化さなくたっていいじゃない。」
「わ、私ちょっとトイレに行ってきます…。」
カバンを掴んで逃げるように席を立つ。
所狭しと並んだテーブルの間を塗って、トイレに駆け込んだ。
バタンと立てる音。
扉に寄りかかる。
"あんま心配かけんな…"
なんで…？
臣さんのことを考えたはずなのに…
どうして佐野さんの事…
思い出したんだろ…
胸を抑えるように服をギュッと握りしめる。
なんでこんな…
ドキドキして…
"俺に心配かけんな…"
臣さんと同じこと言われから…
なんとなく印象に残っちゃっただけだよね…
臣さんと違う匂いだったから…
違和感だっただけで…
私は別に…
佐野さんを好きなわけじゃ…
"玲於でいい…"
「……玲於。」
唇が勝手に呟いた。
ふと、横を見れば小さな鏡が自分を見ている。
ほんのり赤い頬。
「やっぱり…暫く禁酒ね…。早く帰ろ…。」
お酒のせいにして、頬をパチンと叩く。
服と髪を整えて扉を開けた瞬間。
「え…。」
目の前の男子トイレの扉が開いた。
出会い頭。
向こうも同じタイミングで人が目の前に出て来て驚いた顔。
「……玲於？」
RO「お前…なんでここに…？」
トイレの前で妙な空気。
女の人がやって来ると、怪訝な顔で二人を見た。
※「あの、使っても…？」
「あ、すいません…。」
扉の前を空けるとパタンと閉まった。
「あ、それじゃ…。先輩待たせてるから…。」
RO「あ…うん…。」
目を合わせられなくて小さく会釈すると、先に席へと戻って行った。
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ままりぉ。(プロフ) - ゆいさん» コメントありがとうございます！毎日の楽しみが増えてくれたら嬉しいな。今度こそ完結目指して頑張ります！ (2019年5月3日 8時) (
レス) id: 93d184a48a (このIDを非表示/違反報告)
ままりぉ。(プロフ) - りなgさん» なんか思った以上にドロドロしてしまいました（笑）でも気になりますね！ (2019年5月3日 8時) (レス) id: 93d184a48a (このIDを非表示/違反報告)
ゆい(プロフ) - 続きが気になります！更新頑張ってください！待ってます！ (2019年5月3日 1時) (レス) id: 48eab865b8 (このIDを非表示/違反報告)
りなg(プロフ) - もどかし過ぎるー！！NAOTOさんの言葉の意味は…？理由があって付き合ってた…。ますます気になります(>_<) (2019年5月1日 23時) (レス) id: 12a3518566 (このIDを非表示/違反報告)
ままりぉ。(プロフ) - りなgさん» いつもコメントくれてありがとう。前のも終わってないのに新しいものを書いてしまいました。先はまだまだ長いですが、気長にお付き合いください。 (2019年4月30日 15時) (レス) id: 93d184a48a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ままりぉ。 | 作成日時：2019年4月20日 9時
