二日酔い ページ17
しゅんとした顔も束の間。
うっぷ…とまた込み上げる。
口に手を当ててドタバタ床を鳴らしながらリビングを飛び出すと、トイレに駆け込んだ。
おぇっ…
眠たそうな顔で。
それでも、後を追ってくる足音。
RO「おい…大丈夫かよ…？」
「大丈夫………。」
言いかけた直後に、また嘔吐く。
トイレの流れる音。
真っ青な顔で、ふらつきながら出てくる。
「あの……今何時ですか…？」
RO「え？」
腕の時計を見た。
RO「7時半。」
「やばっ…。」
青い顔をさらに青くして戻るリビング。
テーブルに乗ったカバンと、スーツのジャケットを掴んだ。
RO「なんだよ？」
「仕事…。遅刻です…。」
急ごうとするそばからまた嘔吐く。
RO「もう…今日は無理だろ…。」
「二日酔いで休めません…。」
RO「じゃあせめて遅れてけ…。そんなオエオエしながら仕事なんかしてみろ…。周りにも迷惑かけんだろ…？」
自己嫌悪。
顔中にそれが滲み出ていた。
キッチンに伏せてあるグラス。
水を勢いよく注ぐと差し出した。
RO「ほら…。とりあえず水飲んで…。」
「……ありがとう…ございます…。」
RO「あんまり吐くなよ？」
「え…？」
RO「食道やられっから。」
「あ……はい……。」
ソファの上のジャケットを掴む。
RO「じゃ。俺は帰っから。もっかい寝ろ。」
「えっ、あっ、あのっ、コーヒーでもっ！」
慌てて向かうキッチン。
動けば気持ちの悪さが口から出そうだった。
RO「いいよ。大人しくしとけ。」
「でも……。」
俯く青い顔。
RO「あのさぁ。」
「はい…？」
RO「一応聞いとくんだけど……俺のこと、知ってる？」
「え…？」
えっと……急に聞かれて露骨に悩んだ。
暫くして暗い顔に一瞬の笑み。
「あっ、佐野玲於さん！」
RO「そうじゃなくて…。」
「あれ…違いましたか…？」
RO「いや、合ってんだけど。俺が聞いてんのは名前じゃなくて…。」
GENERATIONSだって事を…
知ってるかって意味で…
玲於の意としてることが分からなくて、首を傾げた。
RO「いいや…何でもない…。」
説明するのも面倒で、話を終わらせるとノブに手をかける。
"行かないで……お願い……"
囁くような泣き声。
耳をくすぐった。
クルッと向き直ると、キッチンに向かって真っ直ぐ歩いてくる。
「……あ、あの…。」
肩にかけたジャケットが床に落ちると、伸ばした腕が華奢な身体を軽く抱き寄せた。
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ままりぉ。(プロフ) - ゆいさん» コメントありがとうございます！毎日の楽しみが増えてくれたら嬉しいな。今度こそ完結目指して頑張ります！ (2019年5月3日 8時) (
レス) id: 93d184a48a (このIDを非表示/違反報告)
ままりぉ。(プロフ) - りなgさん» なんか思った以上にドロドロしてしまいました（笑）でも気になりますね！ (2019年5月3日 8時) (レス) id: 93d184a48a (このIDを非表示/違反報告)
ゆい(プロフ) - 続きが気になります！更新頑張ってください！待ってます！ (2019年5月3日 1時) (レス) id: 48eab865b8 (このIDを非表示/違反報告)
りなg(プロフ) - もどかし過ぎるー！！NAOTOさんの言葉の意味は…？理由があって付き合ってた…。ますます気になります(>_<) (2019年5月1日 23時) (レス) id: 12a3518566 (このIDを非表示/違反報告)
ままりぉ。(プロフ) - りなgさん» いつもコメントくれてありがとう。前のも終わってないのに新しいものを書いてしまいました。先はまだまだ長いですが、気長にお付き合いください。 (2019年4月30日 15時) (レス) id: 93d184a48a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ままりぉ。 | 作成日時：2019年4月20日 9時
