初恋メソッド (ページ13)

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赤くなった腕ページ13

RO「おい、お前ら。」

いつもよりずっと低い声色。

※HK「何かしら？」

RO「分かってんだよ…。」

睨みつける視線に、花子は余裕の笑み。

RO「こんな事して楽しいか？」

※HK「何の話だか。」

RO「あくまでとぼけんだな？」

※HK「とぼける？」

鼻を軽く鳴らした。

そこへ生徒たちを掻き分けて割って入る声。

※教「お前ら何してる！？」

対峙する二人の視線がチラッと教師に反応した。

玲於は一歩踏み込んで花子に顔を寄せる。

RO「文句があんなら、こんなせこい真似しねーで、直接俺んとこ来い。」

※HK「理由が分かってんなら、どうすればいいかぐらい分かるわよね…？」

RO「俺は、お前みたいな、世界は全部自分中心で回ってますみたいな女、大っ嫌いなんだよ。」

小さな声で交わす会話。

聞こえていた取り巻きたちは息を飲んでいた。

※HK「一度ならず二度までも私を侮辱するのね…？」

RO「侮辱？」

鼻で露骨に笑い飛ばした。

RO「自意識過剰もいいとこだな。」

クルッと振り返る玲於。

ゴミを拾い終わったAのカバンと腕を掴む。

RO「行くぞ。」

通りすがり、自分のカバンも腕に引っ掛けると、教室を出て行く。

HT「れ、玲於！？」

※教「おいっ！佐野！待ちなさい！」

隼の声に続く教師の怒声。

RO「すんませーん。腹痛いんで帰りまーす。」

振り返りもせず、Aの腕をグイグイ引いて行った。

RU「ひぇー。玲於、やりおるのぉ。」

MD「でも、明日また呼び出しからの説教コースだねぇ…。」

苦笑いするメンディーの後ろで、二人を見ていた涼太。

玲於…

そんな事しちゃったら…

余計に…

視線を教室の中の花子に移す。

音が聞こえてきそうなくらい、凄い剣幕で拳を握りしめていた。

校門まで引っ張られたA。

「あのっ…。れ、玲於くん！？」

RO「あ？」

「い…痛い…。」

RO「え、あ。わりぃ…。」

ようやく止まった足。

思いのほか強く掴んで引いていたせいで、赤くなっていた腕。

解放されればジンジンと痛んだ。

RO「…悪かったな…。」

「…え？」

RO「きっと…俺のせいだ…。」

「どうして…？玲於くんは何も…。」

RO「花子のやつ、ふられたのはお前のせいだと思ってんだわ…。」

屋上でのことを思い出した。

RO「ごめん…。」

軽く下げた頭。

赤くなった腕が視界に入る。

RO「これも…ごめん…。」

そう言って、色白の手で赤くなったAの腕をさすった。