お花 ページ9
…A、もう一週間来てへんな
やっぱ仕事が忙しいんやろか
淹れたてのほうじ茶を飲みながら、庭の花を見やる
毎朝水やっとんのに、前より元気がない
別に枯れてるわけちゃうけど
Aが水やった方が、きっと花も喜ぶで
…心の中で来てくれって言うてるようなもんやな
やめとこ
あいつ聞いとるかもしれんし
「ほなバァちゃん、俺行ってくるな」
「信ちゃん働き者やねぇ、気ぃつけてや」
バァちゃんに挨拶をしてから、俺は俺の仕事に出かける
Aが来るようになるまでは、これが日常やったはずやのに
やけに静かやな
そういえば、Aは花に水やりをするときはなんか喋ってた気ぃするな
声かけるとええって聞くし、明日やってみるか
翌朝
「…おはよう」
「…元気出してな」
「…もっと綺麗になるんやで。楽しみにしてるからな」
「…」
俺一人でなにやってるんやろ
(なんか恥ずかしい)
『あれ、北先輩?』
「A?」
『お久しぶりです!お花に声かけてるんですね!』
「…見たんか」
『えっ(あのおどろおどろしい見たなぁ…?ってやつ…?)』
「最近元気ないねん。明日はAが水やってくれんかな」
『あっ、もちろんです!!お任せください!!』
翌朝
『どうだ〜おいしい〜??このお水甘いでしょー??』
『ふへへー、え、これただの水だと思った?おいおい詐欺のカモになるぞー』
『ふははは飲んで飲んで〜ほら飲んで〜』
『あっ、そういえば昨日北先輩がね??』
「…(いじめ…?)」
Aの水やりを習得しようかと覗き見てた北
その異様な光景にはさすがの北も絶句したとかなんとか
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作者名:まむ | 作成日時:2020年5月31日 15時