かき氷 ページ15
『わっふわっふ』
「わたあめ食べんの下手やな」
『失礼な!!』
「あ、あとちょっとで花火始まるらしいで」
北先輩は腕時計を見ながら言う
ちゃんとしてるなぁ
「あ!北さんおった!!」
「ほんまや!でかしたツム!」
「なんやあいつら」
『先輩を探してたんですかね?』
宮兄弟は駆け寄ってくる
仲良しかよ
「お前らも来とったんやな」
「そおなんすよ!わざわざ!こいつと!」
「お前が北さんたち探しに行こう言うからやろ」
「ちょっ、バラすなや!」
なぜか4人行動が始まる
せっかく、珍しく北先輩と恋人っぽい雰囲気になれるチャンスだったのになぁ
「A、かき氷買うてくるけど何味がええ?」
『えっ…と、いちごで…!』
「ん。待っとってな」
北先輩はふわっと笑って侑先輩と歩いて行っちゃう
「すまんな。邪魔してもうて」
そういえば治先輩も残ってるのか
『あ、いえ。浴衣、お似合いですね。侑先輩と色違いなんですか?』
「おん、双子やから、昔からおかんが揃えたがんねん」
『そっか…いいなぁ…』
うっかり漏れ出た言葉も、治先輩は聞き逃さなかった
「北さんとお揃いのもん買ったらええんちゃうん」
今度は冷やかすような目で見てくる
北先輩、言ったらお揃いとかしてくれるかな
「待たせたな」
「俺穴場知ってるんで行きましょ!」
あ、花火も4人なのね、強制的…
でも、歩くときは北先輩が隣にいてくれる
『北先輩は何味にしたんですか?』
「レモンやで。食べるか?」
『………は、はい…!』
「ふは、なんやその間は」
北先輩は超鈍感さんですか…!
かき氷をすくって、私の方に差し出す
…食べちゃえ!
『…おいしいです』
「そうやな」
『先輩、いちご…』
「ん、くれんの?ありがとお」
私が差し出すと北先輩は、躊躇うことなくぱくりと食べる
幸い、侑先輩と治先輩は前でなにやら言い争っているようで、こちらに気づく様子はなかった
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作者名:まむ | 作成日時:2020年5月31日 15時