射的 ページ13
『先輩先輩!!射的ある!!』
「こういうの、女の子も好きなんやな」
『まぁ、燃えますからね!!バーン!!』
「…ファンサみたいやな」
驚いた
まさか北先輩の口から"ファンサ"なんて言葉が出てくるとは…
『あのぬいぐるみ、絶対取ってやる…!』
「…ずるしたあかんで」
『…はい』
私の企みなど、北先輩には筒抜けのよう
今度もちゃんと真っ向勝負で挑んだ
…けど、やっぱり取れなかった
浴衣の時点で気づいてたじゃないか、規格外の不器用なんだ
狙いを定められるはずがなかった
かなしい
「…俺、やったろか?」
『えっ…!』
そう言うと、Aは目を輝かせて俺を見る
別に腕に自信があるわけちゃうし、射的自体そんなにやったこともない
けど、Aがびっくりするほど不器用なのわかったし
なんかほっとけられへんし
なにより、喜ぶ顔が見たい
俺を見つめるキラキラな瞳を
なるべく視界に入れんように俺は構えた
バーンッ!!
『わぁっ!!』
ほっと胸を撫で下ろす
よかった、当たった
『北先輩すごい!!かっこいい!!男前!!!』
こんなどストレートに褒められると…照れるな
そんな俺の気も知らず、景品のぬいぐるみを抱きしめて頬ずりしとる彼女を眺める
やっぱ可愛ええな
子どもみたいや
…ん?
あれ、俺Aのこと子どもやと思って接しとんのかな
まぁ世話焼けるやつやけど…
俺も、改めんとな
『先輩!ありがとうございます!!』
「どういたしまして」
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作者名:まむ | 作成日時:2020年5月31日 15時