第十六話 ページ26
憲剛side
「おぇっ」
気持ちが悪い。仕方がない、目の前で人が刻まれれば、誰だって気分が悪くなるだろう。少なくとも、気分が良くなるような変態は、いないだろうが。
「‥‥‥A、手前」
刻んだ張本人であるAを鋭い眼差しで見る。Aはそんなことなんか気にせずにヒトだったモノをただひたすら見つめていた。
「どういうつもりかは知らねえが、自分のやってることぐらい、わかるよなぁ。‥‥‥まぁ、堕ちちまったんだから、やってることすらも、もうわかんねえかもな」
静かに、美玖はリコーダーを手に握る。
「行くぞA。おい、手前ら。伏せてろ」
憲剛と勘久郎はすぐに頷き、地面に伏せる。現役十二天将の邪魔をしてはいけない。巻き込まれてしまう可能性もあるから。
「あはっ。あはははっ!」
すうっと息を吸って、呪文を唱える。
「膳所式神歌十八番
曇天死桜大内鏡」
大型の人形がAに攻撃を仕掛ける。
「うふっ。ははははっ!!!」
実に楽しそうに笑いながら攻撃をひらりとかわす。かわした先にも人形は蹴りを入れるが、またひらり、美玖の攻撃はAに一度も当たらない。
「チっ、すばしっこいな。イライラすんだよ!
烈風魔し!!!!」
鳥型の式神を召喚し、遠距離から攻撃する。
「にゃはっ!」
Aが腕を振り上げると、式神が急に動かなくなる。
「⁉どうした!‥‥‥くはっ」
美玖も同様に見えない何かに押さえつけられる。
「美玖さんっ!!」
どういうことだ。距離があったはずなのに、いつの間に美玖はAによって拘束されてしまっている。
「あはははは!!」
「‥‥‥っ。戻ってくれ」
式神を戻す。
十二天将が、負けている?
有り得ない。今まで一緒に戦ってきたが、A級のミッションでも押されたのを一度も見たことがない。そんな彼女が、自らの弟子であるAに負けている。あまりの異常事態に言葉を失ってしまう。
「はははは!!」
今度は憲剛たちに向かって、突風が吹く。鋭い風の刃が来る番だ。
「おっと!」
何とか、ギリギリのところで避ける。危ないところだった。
(当たったら、俺らも‥‥‥?)
刻まれた陰陽師たちを思い出し、嫌な想像をしてしまう。
「裂光覇弾 急急如律令!」
派手にぶっ壊れていたおかげで、裂光覇弾を使うことが出来た。不意打ちだったため、Aにダメージを食らわせることが出来た。
「止縛法!」
勘久郎がそこに止縛法をかける。
「あはっ?にゃははは!!」
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どこんじょう(処罰対象) - 弓乃さん» こちらこそよろしくお願いします! (2019年3月22日 21時) (レス) id: 45a23aa5e3 (このIDを非表示/違反報告)
弓乃 - どこんじょうさん» 遅れてごめん!明けましておめでとう!ID違うけど私だよ!今年もよろしくお願いします!!! (2019年2月3日 16時) (レス) id: 7a5e1ee815 (このIDを非表示/違反報告)
どこんじょう - 新年明けましておめでとうございます!今年も期待して続きを待っています! (2019年1月1日 22時) (レス) id: 5e33bfab9e (このIDを非表示/違反報告)
どこんじょう - 弓乃さん» いえいえ!ってか、じぶんのほうが頑張らなきゃいけないっていう...展開は重要ですのでじっくり考えてください!私はいつでも暇なのでいつまでも待てます!過去編は長くてもいいんじゃないかな?過去編って重要だし。頑張ってください! (2018年12月29日 17時) (レス) id: 5e33bfab9e (このIDを非表示/違反報告)
弓乃 - どこんじょうさん» どこんじょうちゃん!お久だね。今ちょっと展開を考えてて‥‥‥全然更新できてなかったんだけど、どこんじょうちゃんがそう言ってくれるなら頑張ろうかな。有難う。感心であってるよ。過去編長くてすまんね。才能、かぁ。私なんかは全然だよ、でもありがとうね。 (2018年12月28日 17時) (レス) id: 7a5e1ee815 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:弓乃 | 作者ホームページ:http://http://uranai.nosv.org/u.php/novel/mamamitu/
作成日時:2018年3月3日 20時