青いアイツには妹がいる【実況者】 (ページ33)

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29話ページ33

紺視点

cn「……………こ､こは…？」

少し狭く､何も無い部屋に俺は両手を縛られて床に座っていた

確か…散歩していたら､誰かが後ろから口に布を当ててきて…

「おはよう､混乱してるみたいだな」

cn「！？…誰」

「そんなに警戒しないでくれよ
まあ､無理もないか
ああ､自己紹介が遅れたな
俺は野原ヒロシ」←

cn「それだいぶ危なくない？」←

ヒロシ「仕方ないだろ
作者があまり後で使いそうな名前はつけたくないらしいからな」←

cn「あ､そう…←
もしかして､これ誘拐？」

ヒロシ「その通り」

なぜ俺なんだ？

身代金なら俺よりも子供の方が良いだろうし､俺はこいつに会ったことなんて一度もない

cn「どうして､俺を誘拐したんだ？」

ヒロシ「…知りたいか？」

cn「そりゃあ…」

ヒロシ「それは…あの女が､憎いからだ！！」

cn「あの女って…」

ヒロシ「ああ､雪奈だよ
あいつは､俺の人生を狂わせたんだ
あいつが通報なんてしなければ…
お陰で警察には捕まって､もう職員にもなれなくなった」

通報…

職員…

cn「まさか…」

ヒロシ「その様子じゃ､あいつが俺のことを話したみたいだな？
そうだ､お察しの通り､俺は孤児院にいた職員だよ」

cn「じゃあ俺を誘拐したのって」

ヒロシ「あの女に､地獄を見せるためさ！
昨日あの女とお前が歩いてるのを見かけたからな
なんだ？あいつの彼氏か？
俺が苦労している間にぬくぬくと育ったもんだなぁ」

cn「彼氏なんかじゃｯ…
ていうか､それはただの八つ当たりじゃないか」

ヒロシ「この際､八つ当たりでも何でも良い
お前をやれば､あの女は絶望するだろうな！
ああ！あいつの絶望している顔が目に浮かぶぜ…！」

cn「…は､もしお前が俺をやったとしても､すぐに捕まるんじゃないか？」

ヒロシ「心配無いさ
ここは俺がいた孤児院だ
まさかとっくに潰れた孤児院に閉じ込められているなんて誰も思わないだろう」

…ここにいたのが､雪奈ちゃんじゃなくて良かった

ヒロシ「ﾀﾋね」

そう言って､そこにあった椅子を俺に向かって振り下ろした

cn「あーあ」

結構､短い人生だった

でも､楽しかったなぁ

まさか俺が実況者になるなんて､思ってもいなかった

らっだぁに彼女がいるかなんて騒いだりもした

…あ､これ走馬灯っていうやつか

走馬灯ってこんなに長く感じるものなんだ

cn「…さよなら」

…最後に､雪奈ちゃんにお礼を言いたかったな