学園の王子様(女)【kn】 (ページ13)

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13話ページ13

時雨視点

kn「……俺を呼び出したのは､君？」

体育館裏へ行くと､同じクラスの子が居た

「はい､私です！」

kn「…それで？何か用？」

「…私､時雨くんのことがずっと好きでした！私と付き合ってください！」

…何となく告白だってことは分かってたけど…

……どうしよう

「……！」

俺はこの子が好きなわけでもないし､何なら初めて知った

いつもなら断ってるけど…

…今なら､良いかもしれない

俺を好きになってくれる人なんてほんの一握りだ

それに､知らなくても今から知っていけばいいし

………この子と付き合えば､もしかしたら…

あの人を…

……もしかしたら､忘れることが出来るかもしれない

kn「あの……俺…………っ！」

……どうしよう

了承するつもりだったのに

あの人の声が

＿＿＿＿＿『怪我はない？』

あの人の笑顔が

＿＿＿＿＿『ふふっ』

「…時雨くん？」

kn「っ………」

＿＿＿＿＿『時雨くん！』

千明さんのことが､頭から離れないなんて

「あの…？」

kn「…ごめん」

「！」

kn「…俺､好きな人が居るんだ」

「…そっかぁ…好きな人､居るのかぁ…」

女の子は今すぐにも泣き出しそうな顔をしている

kn「ごめんね」

「ううん､いいの
…頑張ってね､応援してる」

kn「…ありがとう」

ごめん

ごめんね

応援されても

背中を押されても

…勇気が､出ないみたい

「ばいばい」

kn「うん」

そもそも､千明さんはこの学校の高嶺の花なんだ

俺が友達になれたこと自体､感謝すべきことだし

千明さんなら､俺以外にも､いい人なんてすぐ見つかるだろう

俺よりも頭いいし

俺よりも運動神経がいいし

俺よりもカッコいいし

たくさんの人に好かれてる

俺なんかには､釣り合わない

kn「………あ」

学校に､課題忘れた