14 ページ15
江口side
やってしまった。
あんな事言うつもりじゃなかったのに、余計かっこ悪ぃよ。
それに最後に見たまなみはうつ向いてたし。
また誤解されただろうな。
昨日のまなみを思い出す。
涙を浮かべた大きな目。
慌てて近づけば、簡単に流れたそれを自分の指で拭った。
自分の指を見て、ため息をつく。
ｹｰｷﾌｪｱか…
幻のｹｰｷ、ﾎﾟﾙﾄｶﾞﾙ、お祝い…
次の日、厨房に入ると慌ててる支配人とまなみ。
ﾊﾙは何かを覗き込んでいつもの調子。
よく見れば誰か倒れてる。
少し眺めていればまなみがその人の側により頭を膝に置いた。
江「っ！」
それはあの副支配人、宇海だった。
江「なっ、何やってんだよ！」
宇「うっ」
佐「はっ、宇海さん大丈夫?!」
慌ててまなみの腕を引き上げれば、膝から落ちた宇海の頭は床に打ち付けられた。
『あっ、ｹｰｷ食べ過ぎちゃったみたいで』
怒られた子供みたいにｼｭﾝとしながら話す。
江「んなの、たいした事ねぇだろ」
未だ掴んだままのまなみの腕をそっと離し、並べられたｹｰｷを見渡した。
ﾊ「結局どれが正解か分からなくて」
江「…ﾎﾟﾙﾄｶﾞﾙのお祝いとかで使うやつなんだろ？だったらこの卵黄ｸﾘｰﾑでｺｰﾃｨﾝｸﾞされてるやつに決まってんじゃねぇか」
ﾊ「あー！鋭い！江口さん、何だかんだで協力してくれるんじゃないですか〜。ﾂﾝﾃﾞﾚ系にｸﾗｽﾁｪﾝｼﾞですか？」
ごたごたうるさいﾊﾙを無視して、厨房を出るため扉に向かう。
ﾊ「あー、またﾂﾝ」
あぁ、うるせぇな。
『江口さんっ』
ﾊﾙとは違う声に、足を止めて振り返る。
目の前にはまなみがいた。
『ありがとうございます』
控えめに必然と上目使いでそう言うと、ふにゃりと笑って丁寧に頭を下げた。
なんだこの可愛い生き物は。
緩みそうな頬を隠す為に、顔を上げたまなみの頭をくしゃりと撫でて厨房を出た。
ﾊ「あ、ﾃﾞﾚた」
宇「…う、胃薬…」
『忘れてた！』
佐「は、ははは…」
後ろで微かに聞こえる会話も気にならないくらい、あいつの笑顔を見ただけで苛立ちなんて吹っ飛んでいた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 563人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
mama(プロフ) - かほりさん» いえいえ！見直すきっかけになったのでむしろ有り難いです、謝らないで下さい！間違いや矛盾など疑問に感じたらまた教えてください。気を付けます！お返事ありがとうございます！ (2018年8月11日 13時) (
レス) id: 6e2a5ac941 (このIDを非表示/違反報告)
かほり - 私嫌なやつっぽかったのに、丁寧に説明していただいて、ありがとうございます！私ももうちょっと考えて発言すればよかったと、後悔しております。。私も言い方悪かったのに、い一方的に謝らせてしまって本当すいませんでした。。。連投ごめんなさい (2018年8月11日 13時) (レス) id: 062fe07ae9 (このIDを非表示/違反報告)
かほり - すいません！言い方がきつかったですね！別に不快にはなっておりません！大丈夫です！書きにくそうだなってのは私も思ってたので…！それに書き直すってのは私の発想にはなかったので、納得しました！なんかすいませんでした(・ω・`) (2018年8月11日 12時) (レス) id: 062fe07ae9 (このIDを非表示/違反報告)
mama(プロフ) - かほりさん» 正直この設定にして失敗でした。名前が言えないので書きづらい…分かりづらいですよね。読みづらくしてしまってすみません。気を付けていたつもりでしたが、結果不快にさせてしまいました。本当申し訳ありませんでした。 (2018年8月11日 6時) (レス) id: 6e2a5ac941 (このIDを非表示/違反報告)
mama(プロフ) - かほりさん» 26で腕に名前を書いたと書かせていただいてます。28では泥で見えなくなった為「あの子」と表記しています。29ﾍﾟｰｼﾞで洗い流した腕にうっすら名前が残っていたので思い出しています。その後は書いていませんが再び腕に書き直していると思っていただければ幸いです (2018年8月11日 6時) (レス) id: 6e2a5ac941 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：mama | 作成日時：2018年5月11日 13時
