好きの詰め合わせ

まじで恋する5秒前(成田凌／灰谷俊平) ページ47

やばい、どうしよう。



藍「白石、灰谷と阿部が冷凍室に閉じ込められた」

白「えっ」






はーっ
吐いた息は白い。

荷崩れ事故が発生して、冷凍室で脚立に、これまた綺麗にはまってしまった太田さんを助けてる時に停電になってしまった。




ﾄﾞｱが開かない。



とりあえず明かりと思い太田さんに聞けばすぐに見つかった。


しばらくすると電話の鳴る音がした。

灰谷君が鳴る方向へ足をすすめると…



灰「うわぁっ！」









この状況はかなりやばい。
しかも麻酔が使えない。

白石先生の指示で始まったけど患者はもう痛みに耐えられなくて、進めることが出来ない。

こんなの辛すぎる。



藍「切れ」

『できません…』

藍「灰谷、また嘆くのか」


藍沢先生の言葉に灰谷君が立ち上がった。


灰「僕も臆病なんです」

灰谷君はﾎﾟﾂﾘﾎﾟﾂﾘと自分の事を話始めた。
その姿は臆病とは正反対で、真っ直ぐと患者に向き合い正義感が溢れてた。


ﾄﾞｷﾝｯ

な、なんだろ…。

私はそんな彼から目が離せなかった。


灰「…だから、やらせてください」

彼の真っ直ぐな言葉に森口さんも頷いた。









手術は無事成功した。
あとは開くのを待つだけ。





『はぁー』

寒い、とにかく寒い。
それもそうだ、ｽｸﾗﾌﾞ１枚、しかも半袖。
人間って意外と強いのね、ここまで耐えてきた自分の体を褒める。



灰「まなみちゃん」


『うん？』


灰「びっくりしないでね？」


なにが？


そう思ったとたん後ろから体が包まれる。




『は、灰谷君!?』

灰「こうする事しか出来なくてっ」





灰谷君が私を後ろから抱き締めている。





灰「少しは温かい？」

『う、うん』






彼の体温なのか、私自身から発する熱なのかよく分からない。
ただ心臓の音が強く早く聞こえる。







ｶﾁｯ


『ついた！』



明るくなる冷凍室、逃げるように灰谷君から離れﾄﾞｱを開ける。






藍「正真正銘お前が救った命だ」


灰「…はいっ！」






その自信に溢れた背中を見て思う。
臆病なんかじゃないじゃない。




あなたの魅力を知ってしまったのに、気づかないふりをする私の方が臆病だ。

うらしまたろう(山下智久／藍沢耕作)→←同一人物(星野源)

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