Climax二十話 ページ20
「彼女を……傷つけるな……!」
一瞬、耳を疑った。あのジンがそんな言葉を言うなんて、原作を見た私じゃあ想像すらできなかったから。
ジンが誰かに好意を持つなんて、アデルと呼ばれた『彼女』は果たしてどんな人物なのだろう。単純にジンと気があっただけなのだろうか。
それとも、何か物語があったのだろうか___、
アデルは、ジンの手を振り払えたはずだった。彼女なら、出来るはずだった。でも、彼女はそれをしなかった。だって、振り払いたくないから。
ポロポロ、ポロポロ。とめどなくあふれる涙が、アデルを、小さな少女を包んだ。
「___赤井さん」
「ああ。安室くんのところから逃げてきたんだろう。愛の力は偉大だな」
「どっかで聞いたことがあるようなー……」
零の執行人だという事はもちろん口に出さない。私のスマホが特殊でコナンの映画が見れるなんて、ちょっと恥ずかしくて言えない。
夜な夜な純黒を見てニヤニヤしてるなんて、恥ずかしくて言えない……。
って、そうじゃなくて。
「ジン、そして、アデルさんかな? 貴方達が私に情報をくれれば、傷つけることなんてない。多分罪の追及は免れないと思うけれど、死罪は控えるようにお願いはできる。それくらいならできる、FBIと公安の働きがあれば。
だけどそれがなければ、私の拳銃は発砲される。アデルさん、貴女が動けばパネルは壊れる。ジン、貴方は動いても赤井さんと私には勝てないし、その間にアデルさんは撃たれる。
___選択は、ひとつしかないはず。両者が両者を守りたいのなら、それ相応の対価を引き出さなければならない」
それは、お互いがお互いの足を引っ張っている、ともとれる発言だったかもしれない。でも、私は公安とFBIに協力している身だ。
好き勝手にプライベートな感情を入れられるわけもなく、今の発言が『私』としてのプライベートの限界であり、赤井さんと安室くんにとっての限界でもあった。
それを、ジンとアデルも分かっていたのだろう。
「組織中心部、そしてギルドのパスワードを言いなさい」
「組織中心部のパスワードは___、
ADERU251
ギルドのパスワードは、
AINE321」
「赤井さん」「ああ」
「でもまだ終わっていないよ。その、アンネさんがまだ残ってる。彼女は屈する気なんてないだろうし、多分安室くんと交戦してると思う」
ジンは重そうに口を開いて___、
私の言葉に、ハッとめを見開いた。
92人がお気に入り
「名探偵コナン」関連の作品
この作品が参加のイベント ( イベント作成 )
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
糖(プロフ) - maoさん» コメントありがとうございます。楽しみにしているといって頂けて嬉しいです。頑張って最後まできちんと終わらせる予定ですので、是非ご応援頂ければ幸いです<m(__)m> (2019年6月9日 23時) (レス) id: a9cd84d524 (このIDを非表示/違反報告)
mao - 続き楽しみにしています!更新頑張ってください!! (2019年6月5日 22時) (レス) id: ec98b22c92 (このIDを非表示/違反報告)
ぐらにゅー糖(プロフ) - 雪兎さん» バリバリ元気です(笑) (2018年6月7日 18時) (レス) id: a9cd84d524 (このIDを非表示/違反報告)
雪兎(プロフ) - ぐらにゅー糖さん?元気ですか? (2018年6月4日 22時) (レス) id: b712ea93b0 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ