十三話 ページ13
「平次君って、もしかしなくても強いじゃないですか。ですから武道派な事をしてくれませんか。頭脳派なら足りてる、とは言い切れませんが武道派よりは多いので、正直前線でなりふり構わず戦ってくれる人がいると助かるんです」
私がした提案は、それだった。
この場合、『なりふり構わず』という部分が重要になる。安室さんも赤井さんも武道としても戦力になるが、同時に頭脳派としても戦力として外せない。
そして前線に出せば彼らは私達後衛の後先を考えて、枷をハメられてしまう。要は、何も気にしないで戦えるキャラが欲しいのだ。
一言で言ってしまえば、いわゆる特攻隊。
危険はつきものだが、同時にチームでなくてはならない役目である。平次はそこそこ強い。頭脳もそれなりに切れる。
特攻隊としては、これ以上ない人選なのではないかなあ、と私は思っている。
平次は目を輝かせながら、何度も何度も頷いている。もしかしたらコナンが元の姿に戻るかもしれないからね。友人を心配する気持ちも分かる。
「……ただ、戦闘訓練は受けて欲しいです。特攻隊の役目は貴重です。自ら候補として手を挙げる者は少ない。だからその辺で野垂れ死んでもらったら困ります。戦闘訓練といっても戦いまくるだけですから、頭は使いませんよ」
「せや、それでええから、そうしてくれ! 少しでも工藤の手助けがしたいんや……それに、その組織っちゅう奴らの機密も知りたいしな!」
「オイオイ平次、好奇心の出し過ぎは禁物だぞ」
「オイ工藤、それお前が言う事かぁ? オレの好奇心奮い立たせてんのがお前やってのに」
私の真剣な説明を何とも思っていないかのように、二人はいつもの軽口のたたき合いを始める。……私も、こんな感じの仲間が欲しいな。
そう思ってピンと来たのが安室くんであったことに、私は少し驚く。
安室くんファンの人達に叩き殺されるのではないか、と同時に苦笑いも浮かべたが。
「んじゃ、オレは帰るわ。何かあったら連絡してくれや。電話番号は机の上に置いといたからな!」
「おい、ちょっと待てよ平次!」
私があれこれ考えている間に、二人は飛んでいくように私の家から去っていった。
机には平次の言う通り、電話番号が書いてある紙が一切れ。
「……いつの間に」
探偵じゃなかったら、犯人になってたんじゃないのか。
私は苦笑いをしながら、そんなどうでもいいことを考えていたのだった。
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糖(プロフ) - maoさん» コメントありがとうございます。楽しみにしているといって頂けて嬉しいです。頑張って最後まできちんと終わらせる予定ですので、是非ご応援頂ければ幸いです<m(__)m> (2019年6月9日 23時) (レス) id: a9cd84d524 (このIDを非表示/違反報告)
mao - 続き楽しみにしています!更新頑張ってください!! (2019年6月5日 22時) (レス) id: ec98b22c92 (このIDを非表示/違反報告)
ぐらにゅー糖(プロフ) - 雪兎さん» バリバリ元気です(笑) (2018年6月7日 18時) (レス) id: a9cd84d524 (このIDを非表示/違反報告)
雪兎(プロフ) - ぐらにゅー糖さん?元気ですか? (2018年6月4日 22時) (レス) id: b712ea93b0 (このIDを非表示/違反報告)
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