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私の手を握ったまま俯いて何も話してくれない彼はどんな思いでここに来てくれたんだろうか。でも、いま目の前にいる姿は先程までテレビで歌い踊りキラキラしていた大橋くんじゃなくて不安げで23歳の普通の男の子でなんだか放っておけなくて顔を覗き込むように声をかけた
｢…大橋くん？、、、えっ、｣
………ｷﾞｭｯ。
大橋｢、、、あの、ほんまになんもしないんで！｣
｢絶対…やから…少しだけこうしててもええですか｣
この前のその時とは違う弱々しい声で優しく抱きしめられて微かに香る大橋くんの匂いに包まれた。
それからどのくらい経ったのだろうか…時計の針の音だけが静かに響く部屋の中でそっと口を開いた
大橋｢あの、Aさんって…その…モデルさんとかもやられてはるんですか？｣
突然の大橋くんの言葉に頭の中は？でしかない。なんでそんな事を思ったのかさっぱりで
｢えっと、モデルはした事ないかな…｣
｢ずっとカメアシしててそれからやっとカメラの仕事やらせてもらってる…けど…どうして？｣
私の言葉に少し考え込みその後の言葉を聞いて私は愕然とする
大橋｢…あの、間違ってたら申し訳ないんですけど｣
｢うん？｣
大橋｢Aさんって何年か前大倉くんの…その、…相手役…してませんでしか？｣
｢…えっ、……あ、えっと…｣
まさかの展開になんて返したらいいのかわからなかった…。だって何年も前だし顔だって載ってないのにどうして、、、
大橋｢ネットニュースで大倉くんが特集やるって見てそんで前もその特集やってたなって｣
｢それで何となく気になってその時の調べてん…｣
｢、、、、、、｣
大橋｢最初は分からんかったんですけど…この前Aさんと、その…シた時に見たホクロがそのモデルさんと同じところにあって…｣
｢…もしかして次のやつもAさんが相手役やったりしますか…？｣
言葉が出なかった。まさかこんな事を大橋くんの口から聞くなんて夢にも思わないしそれがバレてしまった理由も恥ずかしすぎる…
大橋
｢いやねんけど…｣｢そんなAさん見んの｣
｢、、、え？｣
大橋｢もしそうやったらめっちゃ嫌です｣
｢、、、それってどういう…｣
いまだ抱きしめられながらこんな話をしていて大橋くんは一体どんな顔をしているの？どうしてそんなこと言うの？
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作者名：maaaa05210710 | 作成日時：2020年11月28日 21時
