降谷先輩。 【降谷零】

その25 ページ27

*°



｢こちらCN姫、CN07、聞こえますか｣


｢こちらCN07、ばっちり聞こえていますよ、ところでこの茶番は何ですか｣



出来るだけ声を押し殺して梨々実に電話をかける。


私の視線の先には先輩と有理ちゃんが……。


コレ絶対いちゃいけないやつだよ…。


でも、戻りたいけど戻る時に通る道で2人に見つかっちゃうんだよ…。


完全に詰みだわ、リトライを要求します。


｢有理ちゃんが先輩に告白してる｣


｢えっ！？嘘！？！？｣


電話越しでも声が大きいよ梨々実…。


軽く状況を説明すると梨々実にそのまま電話を繋いでいてくれと頼まれた。


つまり実況しろと？


しかし生憎なことに二人の会話はところどころしか聞こえない。


どうにか聞こえないかと耳を澄ましていると、有理ちゃんがどこかへ移動していってしまった。


｢こちら姫、標的の1人が移動しました｣


｢こちら07、上から見ていましたよ、先輩にコンタクトを取りなさい｣


はぁ！？！？私に梨々実は何をさせるつもりなの！？！？




｢で、またお前か姫宮｣


｢ひぇっ、先輩…｣


そう思っていると後ろから先輩が。


変な悲鳴上げてしまったじゃないですか…気配消して近づかないで下さいよ…。


｢こちら姫、緊急事態発生、通信を切ります…｣


そう言って通話終了のアイコンをタップする。


｢何をふざけているんだ、ついでにお前の趣味は盗み聞きか｣


｢そればっかりは偶然なんですよ…でもすみません…｣

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