降谷先輩。 【降谷零】

その19 ページ20

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時は9月、夏休みも終わり、学校全体が文化祭と体育祭の準備で大忙しだった。



｢誰よ…うちのクラスお化け屋敷にしようって言ったの…もっと簡単なのでよかったじゃん…｣



｢はいはい、手を動かす｣


ぶつくさと文句を言いつつもその手は止めない。



私と梨々実は大道具係という準備が1番大変な係だった。



その変わり当日は何もしなくていいとのこと。



ちなみにこの高校の文化祭は1年生が体験系、2年生が飲食系の店をすることになっている。



そこで私達のクラスはお化け屋敷。



閑話休題。



｢ごめん、ちょっと休憩してくる｣



小1時間ほどぶっ続けの作業でさすがに手が限界。



｢いってらっしゃーい｣と手を振られて、ジュースでも買おうと自販機へ向かう。



｢何を買おっかなーっと｣



ピッという機械音の後にガコンという音と共にペットボトルが取り出し口に落ちてきた。



蓋を開ければプシュッという炭酸飲料独特の炭酸が抜ける音がする。



数口ほど飲んでから戻ろうとした時、



｢好きです！付き合ってください！｣



という女生徒の声が聞こえてきた。



あ、しまった。


戻るタイミングを失ってしまった。



そう言えばイベントの前はカップルが増えるって、梨々実から聞いたことがあるなぁ。



仕方なくその場で終わるのを待っていると、



｢悪いが、俺はそういうの興味無いから｣


と聞き覚えしかない声が聞こえてきた。



なんでもいいから早く移動して…。






と心の中で懇願したが女の子の方にしか伝わらなかったらしく









｢こんなところで何してるんだ｣
















と、例の如く降谷先輩が私を見下ろしていた。

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