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さて、先程みんなを救うとは決めたもののどうしたものか。

季節的に今は5月辺り、保健室のカレンダーも5月だし。

一番最初の研二が殉職するまであと6ヶ月。もう半年もない。

研二は爆弾を解体中、急に止まった筈のタイマーが起動しその爆発により殉職。詳しいことは割愛させてもらう。

詳細は知っていても一体それをどうやって止めればいいのやら。


保健室から窓の外を見ると当の研二達が訓練に駆り出されていた。

ボーッと何をするでもなく眺めていると、組み手を取っていた降谷が伊達に盛大にすっ転ばされた。

あの成績トップの降谷が珍しいこともあるのね。

他人事のように見ていたが、どうやらさっきので降谷は怪我をした様子。どこかぎこちない足取りでこちらへ向かってくる。

って、え?ちょっとちょっと!?まずい、あの超鋭い降谷のことだ、見つかったら確実にサボりだとバレる。隠れる?多分私が保健室にいることは知ってるから無駄か。逃げる?ってこれもサボりだとバレるじゃない!!


1人慌てているとガラリと言う音が響いて、思わず動きを停止してしまった。

「三上?何してるんだ?」

「あはは…なんでも…」

あたふたしていたポーズのまま硬直する私。それに怪訝な目を向ける降谷。

カオスね…。

「降谷こそどうしたの?」

「怪我したんだよ、先生は?」

「残念、いません。水道で傷口洗い流してきて」

下手に言い訳するのを何とか回避し、先程使った救急セットをまた取り出す。

その間降谷はしぶしぶと言った感じに言われた通りにして椅子に座った。

手当しようと降谷の前に屈んだら距離が近くなって、チラリと顔を盗み見ると今の、私の元の時代の降谷よりもずっと幼さが残っている顔をしていた。

…そういえばベビーフェイスは元からだったわ。

「どうしたんだ?」

パチリと目が合ってその青い瞳が瞬いた。

「いや、相変わらずベビーフェイスだなと」

「怒っていいか?」

「冗談よ」

冗談じゃないけどね。心の中だけで舌を出す。

もちろんそんな内心、降谷には気付かれていない。

ふっ、年の差を舐めない事ね。歳とともにポーカーフェイスだって培われたのよ。

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作者名:珠々菜 | 作成日時:2019年1月4日 13時

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