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｢本当に大丈夫か？｣
この信じようもない事実に卒倒しそうな中、私を心配そうに覗き込む2人。
やっぱりその表情が記憶の中の彼らと1ミリも変わらなくて涙が零れそうになってしまう。
｢大丈夫、だから｣
嘘、全く大丈夫なわけない。
どうしてこんなことに？
とにかく今は落ち着け自分。
｢ごめん、体調悪いから次の授業休むね｣
とりあえず1人になって冷静に考えたかった。
記憶が確かなら保健室はこっちのはず。
私を心配する研二と松田と別れて朧気な記憶を手探りしながら進む。
しばらく進むとビンゴ、保健室の文字が。
案外覚えているものね。
｢失礼します｣
ガラガラと音を立てて開く扉。中の様子を伺ったがどうやら先生はいないよう。
とりあえず膝の治療をしようと勝手に用具を拝借する。後で何か言われても生徒が怪我した時にいない先生が悪い、うん。
傷口を水で洗い流して消毒液をかけるとアルコールの匂いがつんと鼻についた。
思った以上に傷が深かったらしい。
染みてすごく痛い…。
久々にこんな重傷負ったわ。警察やってる時は優秀だったからなぁ、怪我なんてほとんどなかった。
……やっぱり夢じゃないのね…。夢ならこんなに痛いわけないもの。
思わずため息が零れた。
治療を終わらせ、ベッドに腰掛けて改めて考える。
恐らく今は元の7年前。私達が警察学校を卒業した年。そして研二が殉職した年。
｢はぁ…｣
本当に溜息でもつかないとやってらんない。幸せがどうとかなんてこの際知ったこっちゃない。
どうしてこんなことになったのやら…。暇を持て余した神々の遊び？なんちゃって。
………もしそうだとしたら、私が過去に戻れたらとか考えたから？
えぇ！？たったそれだけでタイムスリップ出来ちゃうの！？！？それだったら誰でもタイムスリップできるわ！そんなことやってたらいつまでも時が進まないじゃん！
って、なに一人ボケツッコミやってるんだか…。あぁ、だんだん悲しくなってきた…。
どうせこうなるのなら同じこと考えた降谷もいてくれたらよかったのに。
まぁ、兎にも角にも私はこうしてタイムスリップしてるわけだけど、私が願ってこうなった以上、やることはただ一つ。
｢絶対みんなを救ってやる！！｣
未来が変わろうが知ったこっちゃない。もしもそうなったとしても私を過去にタイムスリップさせた神が悪い！！運命なんてぶっ壊してやるんだから！！！
こうして私の、孤独な戦いが始まったのだった。
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作者名：珠々菜 | 作成日時：2019年1月4日 13時
