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｢で、なんで私のこと呼んでたの？｣
｢もうすぐ授業始まるぞ｣
松田にそう言われてハッとした。
なるほど、今は休憩時間だったという設定なのね。
久しぶりすぎる授業に少しだけ楽しみになる。
そう言えば教官、すごく好きだったなぁ、今どうしてるんだろう？まぁ、これは夢だけれど。
｢わかった、今行く｣
ちょっとだけわくわくしながら返事をし、足を踏み出して早々、足元にあった少し大きめの石に、見事につまづいて転けた。
完全に出端をくじかれたわ…我ながらなんという失態…。というか夢なのに転けるのね！？
そう思ったの束の間、地面に打ち付けた痛みが膝をおそう。
｢っ！？｣
何コレ、夢なのにめちゃくちゃ痛いのだけど！
制服のズボンを捲り、膝を見ると擦りむいて血が滲んでいた。
うわぁ…やけにリアル…怪我が絶妙にグ ロいところなんか特に。
｢おい、大丈夫か？保健室行く？｣
そう言って心配そうに私に手を差し伸べてくる研二。
しかしその声は私の耳には届かなかった。
いや、ちょっと待って、何かがおかしい。
改めて冷静になって辺りを見渡す。夢にしてはやけに鮮明な風景、そして転けた時に受けた痛みと傷。
なんとなしに芝生に手をついてみたが本当に草の感触。もう、草！って感じの。うん訳が分からないわね、もしかして意外と落ち着けてないのかしら。
………まさかのまさかで、本当に警察学校時代だったりする…？
いやいやいやさすがにないない。なに考えてるの私、降谷に変な話したせいね。
やっぱり夢だと結論づけて研二の手を借りて立ち上がる。
｢ありがとう、萩原｣
なんとか微笑んでみせたが内心は焦っていた。
…こんなことで現実を突きつけられたくなんかなかった。
手を借りた時に触れた研二の温もり。生前と全く変わらなかった、本当に1ミリも。
クラクラと目眩がするようだった。せっかく助けを借りて立ち上がったのに、また膝をついてしまいそうなくらい変な感覚におそわれる。
｢嘘、でしょ…｣
私、三上A29歳、どうやら本当にタイムスリップしているらしいです。
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グ ロがNGワードって厳しすぎません！？
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作者名：珠々菜 | 作成日時：2019年1月4日 13時
