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その17 ページ17




遮光カーテンが外からの光の一切を通すことを許さない部屋の中、高級なふかふかのベッドにその身を沈めて微睡む。起きてすぐのふわふわした感覚が心地いい。


普段は母親の秘書的な事をやってて案外休みは少ないのだけど、シーズンの関係でまとまって数日の間休みを貰っていた。


しかしながら休みだからといってもすることはなく、こうしてゆっくり寝て過ごす日々。

特に今日なんかは日曜日、どこかに出かけようにも人が多すぎて遠慮。

それに訳あってできるだけ外出は控えたいのが本心。


なんて考えて再び目を閉じた時、突然スマートフォンのバイブ音が空気を震わせた。

目覚めたばかりの眠気の中、布団の中で手だけを動かして音源を探ると何かが当たって、手に取れば探していたそれだった。


が、残念ながら時間がかかりすぎてしまったようでスマホはだんまりを決め込んでいた。

それにしても誰だったんだろう?

かけ直そうにも番号は非通知なのでどうしようもない。

まぁ、何か大事な用ならまた電話するでしょう。


ついでだし起きてしまおうと体を起こした時、再び手の中で携帯電話が振動する。

今度は切れてしまわないうちにタップすることに成功。

恐る恐る耳に当てて、電話の向こうにもしもし?と声をかければ、思わぬ人物の声が通った。

「もしもし、姫宮か?俺だ」

「オレオレ詐欺ならお引き取り下さい」

「降谷だ」

「わかってるに決まってるじゃないですか」

まさかまさかの降谷先輩からの電話に少し驚きつつも適当にあしらう。

それにしてもどうしてこの人は私の電話番号を知っているの…本当に警察のプライバシー保護がどうなってるのか不安になってきたんだけど!?


「それで?何か御用でしょうか?」

不信感を全く隠さずに問いかければ、それを気にしていない淡々とした降谷先輩の声が返ってきた。


「今日、休みなんだろう?今から迎えに行く」

は?またこの人は急に何を言っているんだ?

聞き返そうとしたのに、スマホから鳴るのはツーツーという無機質な機械音のみ。

こっちはまだ何も言ってないのに…。

というかさっきからどうして私の個人情報が先輩に筒抜けなのかが気になるところ。警察に通報した方がいいのではと考えるレベルである。

あぁ、でも先輩は公安だからそういうのも隠蔽できたりしちゃうのか。


電話を折り返そうにも相手は非通知、こうなったら私が折れるしかない。


布団から這い出て渋々外出する準備を始めたのであった。

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いちごきゃらめる(プロフ) - めちゃめちゃ面白かったです!続き気になります (2021年2月24日 3時) (レス) id: 654b6b5b60 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:珠々菜 | 作成日時:2018年7月13日 0時

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