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その10 ページ10




「それで、どういうつもりだ」


上から冷たい声が降ってきたが気にしない。


腕を組んだまま歩きながら答えた。


「本当にただの興味本位です。ただ…」


この先を言おうか一瞬考えて先輩の方をちらり。


すると随分と意外な顔をしていた。


「…先輩、顔赤くないですか?」


「…気のせいだ」


いや、気のせいなんかじゃないですよ。 それにその間はなんですか。


声は冷たいままなのに顔は耳まで真っ赤だし、まったく私の方を見ようとしていない。


何をそんなに照れている??先輩に限って密着しているからという訳ではないだろうし。



「……お前のそれはわざとなのか?」


「それ??」


はて?全く身に覚えがない。


「…本当に無意識なのか?」


「だからなんの事ですか!」


先輩があまりにも遠回しで痺れを切らして大声を出してしまった。


周りを見回せば何事かと好奇の目を向けている。


ダメダメ、こんなところで目を引くわけにはいかない。


コホン、とひとつ咳払いをしてなんでもありませんと言ったように笑顔を作った。


「それで、本当になんの事なんですか」


そう言うと絡ませていた腕を先輩が少し動かすと当たっていたことに気付いた。





そう、当たっていた。


正確には私が当てていた、無意識に。


それに気付いてしまえばこちらまで恥ずかしくなって顔が熱くなる。


「どうして早く言ってくれないんですか」


「わざとだと思っていた」


「私がそんなことをすると思うんですか」



そう言うと一瞬考える。



「…お前の度胸じゃ無理だな」


「言いましたね??」


そこまで言われてしまうと一周まわって恥ずかしくなくなってくるから不思議なもので、


これ見よがしに当ててやれば先輩も同じだったようで、冷めた目で私を見ていた。


本当に失礼な。



「それは置いといて、そろそろ話を戻しますよ?」


「お前が脱線したんだろう」


「先輩でしょうに」


「いや、お前だ」


このやり取りがまたしばらく続いて本題に戻るまで時間がかかったがその話は割愛させて頂く。



☆.。.:*・°☆.。.:*・°☆.。.:*・°☆.。.:*・°☆



最近Twitterの方でたまにSSらしきものを書いているので良かったら見てほしいです…|´-`)チラッ

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いちごきゃらめる(プロフ) - めちゃめちゃ面白かったです!続き気になります (2021年2月24日 3時) (レス) id: 654b6b5b60 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:珠々菜 | 作成日時:2018年7月13日 0時

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