その1 ページ1
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「え〜!?Aさん、安室さんと同じ高校だったの!?」
「一応ね、一応」
私をここに連れてきてくれた友人、鈴木園子の驚きの声が上がった。
先程顔を見合わせてすぐ、先輩に連れていかれた私にどういう関係かと問いつめていたのだ。
園子ちゃんとは家の関係で知り合った。
うちに負けず劣らずな家柄の割にお嬢様らしからぬ性格をした彼女とは、年は離れていたが出会ってすぐに仲良くなっていた。
「一応って程度じゃないでしょう姫宮さん。僕、あなたのことが好きだったんですよ?」
「キャー!!!」
はぁ!?何を言っているんですかこの人は!
歓声をあげる園子ちゃんを他所に、仕事中なのにしれっと隣のカウンター席に座る降谷先輩、もとい、安室透。
サラリと言ってのけた彼はにこにことした笑みを浮かべている。
なるほど、これが安室透ね。
話は後で聞くとして、今はそれに付き合ってあげますよ。
「冗談はよして下さいよ。ただの部活の先輩と後輩だったでしょう?」
ここで大袈裟に誤魔化してはいけない。
生憎私だって愛想笑いは得意なってしまったんですよ。
にこにこ、にこにこ、見えない火花を散らしながら笑い合っていると、いつの間にやら園子ちゃんの興味はメニュー表へと移っていた。よかったよかった。
「安室さん、ストレートティー2つ。Aさんもいいわよね?」
「うん、ありがとう」
「かしこまりました」
席を立ってカウンターの反対側へ戻ると流れるような動作で紅茶を入れていく。
相変わらずこの人は何をやっても様になるなぁとぼんやりとその様子を眺めていた。
時折、先輩の天色と私のブルーグレーがかち合えばその度に微笑んでくる。
「お待たせしました」
ことりと音を立てて置かれたそれは橙赤色の波紋を立てていた。
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いちごきゃらめる(プロフ) - めちゃめちゃ面白かったです!続き気になります (2021年2月24日 3時) (レス) id: 654b6b5b60 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:珠々菜 | 作成日時:2018年7月13日 0時