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「三浦刑事」
ちょっとばかし憔悴していると、よく事件現場に顔を出しているせいで顔馴染みになってしまった少年が、いつものように可愛らしく声をかけてきた。
「どうしたのー?コナンくん?」
どうせあれやこれやと聞いてくるのだろうとわかっていたが白々しく言ってみる。
「どんな感じかなーって」
へへ、と彼もまた白々しく聞き返してきた。
「コナンくんこそ、どうしてここにいるのかな?」
どこぞの誰かさんとは違って私はそう簡単に口を割らないわよ。そう目で訴えかけていると今度は別の声が。
「第一発見者だったんですよ、僕もコナンくんも。申し遅れました、安室透と申します」
そういえば陣平がそんなことを言っていたっけ。幼馴染の話を適当に聞き流す癖をどうにかしなければ。目の前に立ったかっこいい見目をしている男性、安室透さん。それにしてもこの安室さん、どこかで会ったことあるような…?
「警視庁刑事部捜査一課強行犯三係の三浦Aよ」
きっと気のせいだろうと気にしないことにしらた。そう考えている間にも彼らは現場を観察している。正直子供を入れるのは刑事としてよろしくないが、彼は色々なことによく気付くと刑事部で話題になっている。仕方ない、少しだけ交ぜてあげるか。
「コナンくん、ちょっと待ってて。陣平に聞いてくる」
「松田刑事も来てるんだ」
「そ、何しろ今日は事件が多くてあまり動かない陣平も駆り出されてんのよ、はっ、ざまぁみろ」
幼馴染の悪態をついた私に呆れた顔をしながらお礼を言うコナンくん。彼もいつもの事だと気にしていないよう。そんな中、少し気になる人物が1人。先程の安室透。コナンくんと会話しながらも私はしっかりと視界の端にその姿を捉えていた。彼が松田の名前に反応したことを。伊達に刑事をやっている訳じゃない。だから人間観察は得意な方。まぁ、後で陣平に聞いてみよう。そう思いながらその陣平の元へと向かった。
「陣平、何かわかった?」
「あぁ、――――」
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作者名:珠々菜 | 作成日時:2018年9月3日 22時