天剣と迅雷 (ページ5)

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四、方治さんページ5

ｶﾘｶﾘｶﾘ……

(拠点の建築順調。兵糧の手配順調。武装の準備順調。だが………)

方治が見ているのは、戦艦の写真だった。

(戦艦！！！この衝撃(インパクト)！
これぞ来たるべき志々雄様の蜂起に是非とも欲しい！！)

「方治さぁん、おフネ好きなのぉ？」

ヒョコッと効果音のつきそうな登場をしたのは華火。

「コラ！仕事中に寄るなと言ったろう！」

「いいよね～。
おフネ水面をユ～ラユラ～♪」

方治に叱られるも、全く気にしない華火。

「でも姐さんは嫌いなんだよねぇ、おフネ。深酒するといっつもマリア様がどーのこーの……」

「(船……マリア……)」

それは方治も聞き覚えのある言葉だった。

「ひょっとしてそれは、マリア=ルーズ号事件のことか？」

「ん～よくわかんない。あたしバカだからぁ。」

あまり学がない華火には、わからなかった。

「はぁい。」

「ん？」

「背広のボタン、取れてたから付けましたぁ。」

「…………………」

この時方治の心の中に、今まで無かった感情が芽生えた。

気がした。

ボタンはグニョリと、曲がっていた。

「～～～。」

「おフネいいよねぇ～♪」

華火はまだ言っていた。