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「じゃあやっぱり俺と山田って仲悪いと思われてるんだね」
「そう…え、てか仲悪いんじゃないの?どうなのよ?」
「えー仲悪くないよ。喧嘩もしたことないし。ね、山田?」
「うん。別に仲悪くないよ。」
「なんだよー、じゃあ周りが勝手にそう思ってただけかよー。気遣って損した!」
いのちゃんがそう思ってくれていたならそれはそれで良かったのかもしれない。
とりあえずマイナススタートではないし、ゼロからスタートラインに立てる。
そうわかればもう、俺は攻める気満々だ。
恋愛に対しても俺は肉食系だから。
昨日までの落ち込みと打って変わって俺はメラメラと闘志の炎を燃やしていた。
「いのちゃん、俺から誘ってもご飯一緒に食べてくれる?」
「もちろんだよ、いつでも誘って?」
「ありがとう!」
「なんだよ山田、可愛子ぶって!俺もたまには誘えよなー」
「これ、美味しいね!」
「おい無視すんなって!」
とりあえず今の俺は、いのちゃんの横に座っている大ちゃんよりも点数が低いはず。
負けねぇ…!
そんな気持ちで、本気スマイルをいのちゃんに送る続けると、心なしかいのちゃんの顔が赤くなった気がした。
「いのちゃん顔赤いよ?もう酔ったの?まだ一杯目だけど。」
「う…うん、今日ちょっと回りやすいかも。」
「いのちゃん酔ったら顔赤くなるんだね、可愛い。」
「…っ!」
「いや、山田。お前も顔赤くなるタイプじゃん!」
攻める俺に照れるいのちゃん、それにつっこむ大ちゃんのおかげで結構盛り上がってきた。
いのちゃんも肩の力をぬいていつも通りヘラヘラ笑って大ちゃんとふざけたりしてる。
やっぱりいのちゃんにとって大ちゃんは大きいんだな、と思いつつ、俺はいのちゃんと友達になりたいわけじゃない。最終目標は恋人になりたいのだ。
そう思うと、スタートラインがゼロから始まるのは良いのかもしれない。
だって、最初から恋愛を意識したコミュニケーションを取れるから。友達としてしか見られなくなったら終わりだし。
なんだか気分が良くなってきた俺は、グイグイとお酒を飲み始めた。
「山田、弱いんだからほどほどにしろよ?」
「今日は大丈夫!」
「お、いくねぇ」
「今日は、ってなんだよ!お前はいつも弱いよ?」
俺の記憶はそこで途切れていて、そこからはもう、意識はなかった。
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まくま(プロフ) - しろくまさん» お返事遅くなり誠に申し訳ございません。正直なところ、界隈を離れたり戻ったり…実生活の事情もあり中々執筆にはいたれず申し訳ございません。ですが読んでいただけて幸せです(*^^*)ありがとうございます。 (2021年1月13日 0時) (レス) id: 74f2c0d3fa (このIDを非表示/違反報告)
まくま(プロフ) - atsuさん» お返事遅くなり誠に申し訳ございません。カスカニトモルを記憶していただけてめちゃくちゃ嬉しいです!当時肝いりの作品で、それゆえに完璧に作り直したくて非公開にしました。また公開したいです、ありがとうございます! (2021年1月13日 0時) (レス) id: 74f2c0d3fa (このIDを非表示/違反報告)
まくま(プロフ) - さやさん» お返事遅くなり誠に申し訳ございません。読み返していただけて嬉しいです、ありがとうございます。(*^^*)自分で読み返すと拙い文章がおおく、恥ずかしい気持ちになります…笑 (2021年1月13日 0時) (レス) id: 74f2c0d3fa (このIDを非表示/違反報告)
まくま(プロフ) - RICO☆さん» お返事遅くなり誠に申し訳ございません。待っていただけて嬉しい限りです。亀より遅い更新ですみません(>人<;) (2021年1月13日 0時) (レス) id: 74f2c0d3fa (このIDを非表示/違反報告)
まくま(プロフ) - ヨウコさん» お返事遅くなり誠に申し訳ございません。またあの二人の続きを甘めに書きたいですね!時間がかかるかもしれませんがもしまた投稿することがありましたらよろしくお願いします。*\(^o^)/* (2021年1月13日 0時) (レス) id: 74f2c0d3fa (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:まくま | 作成日時:2017年2月5日 10時