オオキナヒカリ 1〈 yb x hk 〉

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羽織っただけの白衣の下に着ているシャツに、ヒカルの涙が染みる感覚がした。


1人の時間に沢山悩んでいたのであろう。
ヒカルが溜め込んでいた辛い感情がじわりじわり、俺へと溢れ出してくる。
その度、俺の心は罪悪感に苦しめられるのだ。


ヒカルに、こんな辛い思いをさせたくない。
ヒカルには、たっぷりの愛の中で優しく生きて欲しい。
こんなネガティヴで悲しい感情はヒカルには似合わないから。


今更ながら、ヒカルの相手が俺でよかったのか問いただしてしまう。
それは、俺のヒカルへの愛が恋愛だけでなく“親心”も含まれているからだ。



＿＿それでも、俺が確かに誓えることは１つ。

ヒカルと俺が、どんな関係性であってもそれは変わらない。


「なぁ、ヒカル。

ヒカルが邪魔だったことなんて1度も無い。
俺の1番は、いつだってヒカルなんだ。

……初めて会ったあの日から、俺の心の中にはヒカルしか居ない。
俺の心はずっと、ヒカルのものなんだよ。

だから……もう1人で悲しまないでくれ。」


「……っ、う、でも…」


ギュッとヒカルを抱きしめていた腕を緩め、ヒカルの頭を撫でてやる。
ゆっくり顔をあげたヒカルは、大きな目を真っ赤にして泣いていた。


「辛い思いも、ぶつけてくれていいから。」

「無理だよ……もう子供じゃないんだから」

「じゃあ子供のままでいてくれよ」

「やぶに、嫌われたくないよ」

「ヒカルを嫌うことなんかない」

「でも、大人としてやぶに見られたいから」


堂々巡りの会話を繰り返し、中々終わりが見つからないことに2人して笑った。

やっと見れたヒカルの笑顔にホッと胸をなで下ろす。


「とりあえず、今日部屋来いよ。」

「うん、ありがとう。」

「風呂一緒に入ろうぜ」

「……やぶのえっち」

「はは、ヒカルちゃんったら何考えちゃってんのー？」

「もーー！」



来年とか、再来年とか
まだ先のことは分からないけど。


とりあえず今目の前のヒカルが笑っていたらそれでいい。


俺は大層な人間じゃないから、

あれやこれや考えたって分からない。

答えなんて、簡単にでない。






＿＿でも、これだけは変わらない。


俺の中で1番オオキイのは、ヒカルだから。









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“オオキナヒカリ”＝太陽＝ヒカル


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