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ヒカルの誕生日会は、参加している子供達の年齢を考えて、20時には解散となった。
とうとうヒカルに話しかけることが出来なかった。
自分の意気地なさに呆れるが、これが俺の性格であり、そんな簡単には変えられない年まで来てしまったのだ。
そんな言い訳を頭の中で考えながらヒカルをみると、ケイと何やら話していた。
《うん、ヒカルにはケイがいる》
俺と気まずくなってもヒカルが寂しくならないことに安心する。
ぞろぞろとみんなが退散していく中
俺も論文の続きをするか…と席を立ち、部屋を出ようとすると
背中に何かがぶつかった。
「…やぶ」
「……ヒカル？」
振り返らずとも、これはヒカルの声だ。
ヒカルが俺の背中に額を当てたまま、しゃべる。
「今日やぶんとこ行くから」
その言葉に、グッと胸が掴まれる。
どこまでも見栄っ張りな俺は、動揺をヒカルに悟られたくなくて必死に平気なふりをして言葉を返す。
「……誕生日は毎年ケイの部屋じゃねーの？」
「ケイにはもう言ったから。」
ゆっくり後ろを振り返ると、眉毛を下げたヒカルの大きい目と、目が合った。
その姿はまるで“待て”をしている子犬のようで
俺からいい返事が返ってくることを期待したその目に、俺が逆らえるわけもなく。
「俺、研究室よってから行くから先部屋入っとけ。」
そう言ってヒカルの手を持ち、鍵を握らせる。
本当は心の中では飛び上がるほど嬉しいくせに、ついヒカルの前では格好つけてしまう自分に呆れる。
しかし、俺のその行動にヒカルの顔がパァーっと明るくなる。
「うん！部屋あっためて待っとくね！」
俺と違い、ヒカルはこんなにも素直で。
全身全霊で嬉しい！嬉しい！と表現してくる。
それに釣られて俺も少し笑って、急ぎ足で研究室に戻る。
背後から「お風呂も貯めとくねー！」とヒカルの声が聞こえた。
可愛いことを言ってくるヒカルについつい頬が緩む。
俺に構って欲しくて必死なヒカルと、
ヒカルを構いたくてしょうがない俺。
結局俺はいつも受け身で、ヒカルが来てくれることに甘えているのだ。
《今宵は、沢山ヒカルを甘やかしてあげよう》
俺は研究室に向かう足を速めた。
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まくま(プロフ) - 涼李さん» ご指摘ありがとうございます！すみませんでした！(＞人＜;) (2021年1月13日 0時) (
レス) id: 74f2c0d3fa (このIDを非表示/違反報告)
涼李 - 失礼ですが薮の漢字違います。 (2017年4月4日 18時) (レス) id: cfabed38dd (このIDを非表示/違反報告)
まくま(プロフ) - natsuaさん» はじめまして、コメントありがとうございます(*^^*)そういっていただけると嬉しいです(*^^*)個人的におっさん×ショタが好きで…笑。しかもおっさん側は押されて断れず、仕方なく…的なシチュが好きです笑。もうしばらくティーンですが、徐々に大人にしていきたいです！ (2016年12月17日 9時) (レス) id: 5a50ed067e (このIDを非表示/違反報告)
まくま(プロフ) - いのおりさん» こちらにもコメントありがとうございます(*^^*)やぶひかは私も結局1番好きなCPです！薮にはもっとヒカルくんを可愛がってもらいます！笑 (2016年12月17日 9時) (レス) id: 5a50ed067e (このIDを非表示/違反報告)
まくま(プロフ) - ひかひかさん» 妄想していただけて幸いです(*^^*)薮のオヤジ具合とヒカルくんの幼さを掛け合わせてこれからも進めていきたいと思います。 (2016年12月17日 9時) (レス) id: 5a50ed067e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まくま
| 作成日時：2016年10月3日 20時
