3 ページ15
.
いまだって…多分ソワソワしているのは僕だけで。
薮は至っていつも通りなんだ。
「ふーん、大人になっちゃうんだ」
「なにそれ。いやなの?」
「嫌じゃねーよ。でも、風呂断られてちょっとショックだったよ。とうとうきたかーってね」
「来たって、何が?」
「思春期!ヒカルももう高校生の年だもんなー。俺の高校生の時なんて…」
「…高校生の時なんて、何?」
「…まぁその…。いや、やっぱりヒカルはまだまだ可愛いもんだな!」
カッカッと笑いながら後ろから僕を抱きしめて頭をワシワシ撫でてくる。
「もー、薮も僕を子供扱いして!そろそろ大人になりたいんだけど!」
「えー、まだヒカルには早いよ」
「む。じゃあ薮は高校生の時はどんなだったの?薮の思春期の話教えて!」
「俺の思春期…」
中々答えない薮を不思議に思って、僕の後ろの、少し上にある薮の顔を見る。
じっとみつめると薮と目が合って…
「くっ!無理だ!ヒカルに話せることなんかねーわ!」
「えぇっ!薮もかよぉ」
つまんない。みんなして僕に隠して。
仕方ない、次は高木に聞くか…
「薮もって何?他に誰かと話したのか?」
「ケイともね、こないだ思春期の話になってさ、」
あ、そうだ。こないだあったケイとの事、薮に聞こうと思ってたんだった。
「ケイはね、思春期きたらしくて。それでケイに教えてよって言ったら…」
「ほー、ケイがねぇ」
「突然僕の…その…」
「ん?」
「僕のここを撫でてきて」
軽く自分の下半身に存在するそれに手を当てる。
「ここ?…て、はぁ?!」
「わっ!薮、急に動かないでよー!」
薮が急に動いたせいで、もたれ掛かっていた僕は溺れかける。
思わず後ろを振り向き薮を見ると、なんとも言えない顔をして僕を見ていた。
「え、なに?どうしたの薮」
「どうしたのって…てか、ヒカルお前それされてどうしたんだよ」
「どうしたもないよ、やめてって言った」
「へぇ…。て、いやいや、ヒカルそれの意味わかってるの?」
「え、なにが?」
放心している薮を気にせず、再び薮に背を預ける。
背後から小さく「まじか…」と聞こえる。
よくわかんない僕は、また自分だけが取り残されている気分になる。
ねぇ、誰か教えてよ。
「やぶー、もういいから教えてくれない?薮は親代わりなんだからさ、子の思春期に手を貸してよねっ。」
「……」
「薮?」
「…ああ、いいよ」
.
571人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
まくま(プロフ) - 涼李さん» ご指摘ありがとうございます!すみませんでした!(>人<;) (2021年1月13日 0時) (レス) id: 74f2c0d3fa (このIDを非表示/違反報告)
涼李 - 失礼ですが薮の漢字違います。 (2017年4月4日 18時) (レス) id: cfabed38dd (このIDを非表示/違反報告)
まくま(プロフ) - natsuaさん» はじめまして、コメントありがとうございます(*^^*)そういっていただけると嬉しいです(*^^*)個人的におっさん×ショタが好きで…笑。しかもおっさん側は押されて断れず、仕方なく…的なシチュが好きです笑。もうしばらくティーンですが、徐々に大人にしていきたいです! (2016年12月17日 9時) (レス) id: 5a50ed067e (このIDを非表示/違反報告)
まくま(プロフ) - いのおりさん» こちらにもコメントありがとうございます(*^^*)やぶひかは私も結局1番好きなCPです!薮にはもっとヒカルくんを可愛がってもらいます!笑 (2016年12月17日 9時) (レス) id: 5a50ed067e (このIDを非表示/違反報告)
まくま(プロフ) - ひかひかさん» 妄想していただけて幸いです(*^^*)薮のオヤジ具合とヒカルくんの幼さを掛け合わせてこれからも進めていきたいと思います。 (2016年12月17日 9時) (レス) id: 5a50ed067e (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:まくま | 作成日時:2016年10月3日 20時