食堂のお姉さん！【呪術廻戦】

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天川side

恵と、悠仁を挟んで車に乗り込む

また宿儺おじいちゃんが服を破いたみたいで、
上に何も羽織ってない悠仁に、
雨降ってて少し寒くて羽織って持ってきていた羽織をかぶせる

寒かったよね、痛かったよね、
特級相手で怖かったよね、

冷たくなった悠仁の手を握って、
守れなくてごめんね、そう心の中で言うしかできなかった

ぽたりと手に落ちるのは、
雨で濡れたあたしの前髪から落ちた雫なのか、
目からこぼれ落ちた雫なのか。

悠仁が高専に来てからたった2週間。
でも、2週間での楽しかった記憶が、
頭の中で映像で流れてくる
毎食、美味しいって笑顔で食べてくれて、
食後に1年ズと一緒にゲームしたり、
巫山戯てさとるにイタズラしたり、
こういう悲しい時に楽しかった思い出ばっか浮かんでくる。


走る車の中は静かで、
窓を叩きつける雨の音だけが聞こえていた






｢では、虎杖くんの身体は、私が家入さんのとこに運びますので、｣



親が殺されてから、私の周りは、最強とか、学長とか硝子ちゃんとかで強い人ばかりだったから、
誰かが亡くなるなんてこと無かった

身近な人の死は、何も考えたくなくなるんだ。

車から降りても、私は、足が動かなかった
｢A？｣
高専に戻ってきても、
しとしとと降りやまない雨は、
紫陽花の葉に落ち、大きな雫になって静かに弾き飛んでいる
恵に名前を呼ばれるも、
｢うん｣
としか声が出ない。
｢風邪ひく。屋根の下行こう｣
恵に引っ張られ、寮まで歩く。

｢A、耐えてたんだろ？泣け。泣いていい。｣
恵のその一言に、
ぼろぼろと目から溢れ出てくる涙
恵も同級生が亡くなるのは辛く、震えながらも
私の顔を自身の胸に抱き寄せ頭を撫でていた
私はそんな恵に縋りながら、声にならない声で泣き叫んだ

仲間の死は、本当に辛いものだ。

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