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恋したっていい。

あんなこと言ったけど、
本音は恋なんて知らないままでいてほしい
ずっとAが甘えてくれるのは俺らだけでいい。

三途がAに虫除けとして首に噛み跡つけたけど
この跡がついたまま、
Aがその恋してる男に会いに行って
失恋して、されて来てしまえなんて
妹が心配な兄心というものでそんなことを考えてしまう



「わっ、ちょっと蘭ちゃん」



虫除け、な。
本当、虫除けしないとだな、

でもあいつの歯型って思うとイラッとした
ソファで竜胆と並んでテレビ見てるAに
モコモコに泡立てたボディソープを持ってきて
思いっきりAの首を摩る

「兄ちゃん、ソファに泡落ちるから風呂場行けよ、
つーかAもう風呂はいったってのに、」

「俺が仕事の電話してる間に入ったとかずるいんだけど。
竜胆も髪に泡着いたよな
2人とも兄ちゃんの風呂に付き合えよ♡」











『お兄ちゃん、ばいばい』


『何言ってんだよ、A』

綺麗な白いドレスに身を包んで
幸せそうに笑って
知らない男と腕を組んで俺から離れてくA


「A行くな!」








「どうしたの蘭ちゃん」

「兄ちゃん?珍しいね」


風呂から出て3人でテレビ見てる間に
寝落ちしちまってたみたいで
起きたらリビングのソファの上
Aと竜胆が俺の顔覗き込んできた

「大丈夫?魘されてたよ?」

Aがするりと頬を撫でてきた細い手は
変わらずひんやりしてて心地よい、
「A、」

夢で良かった。

「A、離れてかないよな、」




「…蘭ちゃんお仕事で疲れて怖い夢見ちゃったんだね
もうベッドで寝ようね」
さりげなく俺の目の下を触れた

俺、泣いてた、
あんな夢見て不安になってるんだ





いつもAを真ん中にして寝てるのに
「蘭ちゃん真ん中行って」

「A真ん中じゃ、」

「今日は蘭ちゃんが真ん中!」
竜胆とAが俺に引っ付いて両脇固められた
「おやすみ蘭ちゃん」

「おやすみ兄ちゃん」


「…安心していいよ
大好きなお兄ちゃん達から離れていかないから」

そう残して眠ったAのその言葉は
ストンと胸に落ちた
「ありがとな、ありがとうなぁ、」

嫁に出すわけじゃ無いけど、
娘を嫁に出す父親ってこんな気持ちなんだろうな

ごめんなぁ、俺、妹離れ出来ない兄ちゃんだ



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まゆか(プロフ) - 飴玉さん» っ嬉しいです!ありがとうございます (2022年1月3日 7時) (レス) id: 9f4232803c (このIDを非表示/違反報告)
飴玉(プロフ) - Heartache.....大好きです..... (2021年12月28日 15時) (レス) @page43 id: 16dec3cb2e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:まゆか | 作成日時:2021年12月7日 0時

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