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66 Tears in summer dreams ページ16





最近パステルカラーな世界に見えてたのに
今日はいつもと同じ、落ち着いたシックな部屋

怖い夢を見たからなのか心臓がバクバクとうるさい

抗争だったのかわからない
目の前でお兄ちゃん達が撃たれ
支えるも冷たくなってく2人
私も一緒に撃たれて。


そんな夢のせいで痛くないのに痛い胸元

りんちゃんも、蘭ちゃんも寝息を立てて寝てる
胸に手を当てて血が出てないか確認してたら
2人とも起きてたのか
クスクス笑ってる声が聞こえてきた
「どーした?」

「おにいちゃんの生存確認」

「どーだー?生きてるか?」
とくん、とくん、といつもの心地よい心音が聞こえてくる
「生きてる」

「A置いて死んだりしねぇって」

「ほら、大丈夫大丈夫」
それでも不安が残った胸の内
モヤが晴れない
気持ち悪くて苦しくて、黒い靄が渦巻くように
「苦しい」

「何、好きな人の事考えちゃった?」

「違う、そんなんじゃない」
もう訳が分からなくなって息が詰まる

もうやだ、
「助けて」



「よしよし、ちょっと考えすぎちゃったなぁ」
蘭ちゃんに抱っこされてヨシヨシとあやされ
りんちゃんは飯食ったら少しは落ち着くだろって
朝ごはん作りに行った

「今日は竜胆取引先と商談あるから
兄ちゃんとデートしような」






りんちゃんが仕事に出掛けるの見送って
蘭ちゃんは私を街に引きずり出した
「どこ行くの?」

「んー?Aが楽しめるとこ」


「たまにはモノレールも乗ってみるか」
鼻歌歌いながら私の手握ったまま、
改札を抜けて到着したモノレールに乗り込む
「美術館?」

「そ。想像してるような美術館じゃねぇぞ?」





俺らが死ぬ夢でも見たようで生きてる確認してくるAは不安そうにずっと手を震わせたていた
少しでもAが夢で見た不安を払拭できるように
Aを街に連れ出す
お台場にある光のミュージアムで有名な所に連れてきた

正直Aのこういう時は毎度ハラハラする
自分の大切な妹の不安を取り除いてやりたいのに、
どうすればAの不安が消えるのか試行錯誤しまくりだ

「すごい、ラプンツェルみたい、」
宙に浮いてるランタンに触れて
少し楽しそうに表情を変えた
気を紛らわすことが出来たなら良かったと胸を撫で下ろす
握ってた手に少しだけ力を入れて
「怖い夢は忘れる事できた?」
そう聞けばポスッと俺の胸に顔うずめて
「前に約束してくれたの覚えてるから」
そう答えて笑ったAに

正夢にならないように

そう願って抱きしめる


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まゆか(プロフ) - 飴玉さん» っ嬉しいです!ありがとうございます (2022年1月3日 7時) (レス) id: 9f4232803c (このIDを非表示/違反報告)
飴玉(プロフ) - Heartache.....大好きです..... (2021年12月28日 15時) (レス) @page43 id: 16dec3cb2e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:まゆか | 作成日時:2021年12月7日 0時

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