*ﾟ*金魚花火15*ﾟ* (ページ5)

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【４１５】side N ページ5

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翔「お前、どうしたその髪」

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家を訪ねてきた俺に向かって、翔ちゃんの開口一番がこれだった。

「懐かしいでしょ？」と笑ってからお邪魔しまーすと靴を脱げば

慌てたように紫穂さんがスリッパを出してくれた。

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翔「……そうか、そういやそんな色だった気がするな。

お前が宵の金魚と呼ばれて、しばらく経った頃だっけ？

金の魚だから、金にしてみたー……って」

和也「そ。今回も、金の花火だから金髪にしてみた」

翔「冗談だろ……」

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はあ、と額に手を当てる翔ちゃんを見ながら、かなり元気になったみたいだと安心した。

紫穂さんがキッチンでお茶を淹れてくれてる気配を感じながら、翔ちゃんに進められるがままにソファに腰を下ろす。

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翔「……あんまり毛根いじめてると禿げるぞ」

和也「翔ちゃんだって血虎時代はこんな感じだったじゃん」

翔「ガキの頃の話だろ…ったく」

和也「そうだね、ガキの頃だ。今は血虎じゃなくて、千虎だ。

俺と一緒に龍村組を背負う大黒柱だ」

翔「………」

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「どうぞ」と言いながら、紫穂さんがカチャンとコップを置く。

その手がわずかに震えたように見えた。

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翔「そのことなら、もう話したよね？」

和也「本気で言ってんの？組を抜けるって」

翔「本気だよ」

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紫穂さんが、お盆を抱えて退室しようとしたら

「待て」と翔ちゃんが引き留めた。

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紫穂「でも、私がいない方が…」

翔「いいから。俺だけの話じゃない。お前も、関係あるだろ」

紫穂「………」

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翔ちゃんが真剣な目で言えば、紫穂さんは少し緊張したように

だけどどこか恥じらう乙女のように。「構いませんか？」と俺に問う。

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和也「いいよ？」

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冗談だろ、と言いたいのは俺の方なんだぞという言葉はグッと飲み込んだ。

翔ちゃん。貴方、ちょっと極端すぎやしないか。

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