*ﾟ*金魚花火15*ﾟ* (ページ21)

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【４３１】side M ページ21

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疑問を覚えて、医務室の連中に「和也の記録はどこだ」と尋ねた。

少なくともお嬢がここに引き取られてからの十数年間は継続して屋敷にいた。

なのに記録が一つもないとは、どういうことなのかと。

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『それが、組長は屋敷で診断を受けておられないんです』

潤『受けてない…？』

『もともと、定期健診を受けるかどうかは任意ですし…』

潤『それでも幹部は受けるようにと金龍から厳しく通達されていたはずだけど？』

『ええ、ですが……組長は、２番隊隊長だった頃から、その……幹部の会議でさえサボったりしてましたでしょう？

健診に来ないことも、あの性格からして不思議ではないのかなと……我々としては、そういう認識だったので…』

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思わず、舌打ちしてしまった俺に。医務室の連中は一斉に青ざめていた。

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潤『調べて』

『はい…？』

潤『いいから調べろ。今の和也の健康状態、どんなに小さい異常でも見逃すな。

和也が嫌がるんなら、ばれないように調べろ。いいな？』

『そんな無茶な…』

潤『この組を背負う男の体だぞ！！何かあってからでは遅いんだよ！！』

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そうだ。何かあったらどうするんだ。

あんなに苦しい思いをしてまで、ようやく頂点に立ったんだぞ。

ようやくあいつの未来が訪れようとしてるってのに、何かあったら。

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「やはり、ご本人にばれないように調べるのには限界があります。

詳しいことはちゃんと検査してみませんと、断言はできないのですが…」

潤「構わない。現時点での医務室の見解を教えてくれ」

「松本隊長のご指摘のとおり、組長はお体の調子が優れないようです。

あれから我々も注意して観察しておりましたが、何度か気を失う姿が確認されました。

あれだけ頻繁に倒れているので、既にご本人も体調不良を自覚しているのではないかと思うのですが…」

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悪い予感は、大概、外れないものだ。

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潤「何らかの病か？」

「はい……ですが、気を失うことがその病の直接の症状ではないと思われます」

潤「どういうこと」

「ただでさえ弱った体です。なのに

組長就任以来、引き続く激務に身を投じていらっしゃる。体力的に限界が来たところで

まるで薇(ぜんまい)の切れた人形のように、ぱたりと倒れておられるのです」

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