*ﾟ*金魚花火15*ﾟ* (ページ11)

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【４２１】side O ページ11

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相手に、というよりは。Aちゃんに気付かれないように

騒がれるわけにはいかなかった。

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ガチャ、とドアを素早く開いて。向こう側に立っていた人物を、そのまま外で押し倒した。

バタン。玄関のドアも閉まった。これで、普通に話していれば声が室内に聞こえることはないだろう。

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智「お前は誰だ」

「か…はっ…」

智「狙いは俺か？それとも……」

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見たことのない男だ。その首を絞めつける手に、少しだけ力を込める。

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智「彼女だって言うんなら……このまま無事に帰すわけにはいかないな」

「お……れは、ただ依頼を…受けただけだ…！」

智「誰に？」

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酸素が足りてない。みるみる黒くなっていく顔色

手を放せと、もがく男にもう一度尋ねる。「誰に？」「さっさと吐けよ、死ぬぞ」。

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「なるか……鳴上、だ……っ、龍村の娘が……ちょうど良い人質、だと……」

智「鳴上組……」

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以前に、屋敷に乗り込んできた烈が口にしていた名だ。

近年、急成長を遂げているその組と、手を結びたがっていた烈の様子を思い出しながら

……なるほど。龍村組のことを、狙っているのか。厄介なのが増えたもんだ。

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智「ただの成り上がりが、妙なこと考えるもんだな」

「くるし…た、すけ…て……」

智「まあ、いいんだけどさ。俺、もう龍村組には関係ないし」

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がく……と、男は気を失った。パッと手を放してやる。

別に殺しちゃいない。今の俺はただの一般人なんだ、そんなことはしない。

とはいえこのままこの男を、部屋の前に放置しておくわけにもいかず

ずるずると引きずりながら、歩く。

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智「Aちゃんも、もう無関係なんだよ……ほっといてくれよ……」

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この世界で生き始めて、３か月になる。

たった３か月、なのにこういうことは初めてじゃなく、むしろもう何回目だ？って感じで

ぽいっと外のゴミ捨て場まで連れていって、男をそこに投げ捨てた。少し、イライラしてた。

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