藤井くんの彼女(仮)

デート、しませんか？ ページ30

｢いらっしゃいませー｣






あの後、特にお互い他に見たい映画も無く


ゆっくり話でもという話になり、



近くのカフェに入ることになった。




こちらへどうぞー



と通された席は大通りに面する窓側の席。



日曜日やからか通りは多くの人が行き交っていて

道行く人達がみんな藤井くんを見てる気がする。





………それはさすがに言い過ぎか。



でもそれほど改めて向き合って見る藤井くんは素敵だ。






｢あ、いちごオレあるやん

俺これにしよー｣




当の本人はそんな視線には全く気付いていないようだけど。






｢平野さん決めた？｣





｢えっ？あ、うん｣




｢よし、すいませーん｣





メニューなんて全く見れていなかった私は





｢えーと、いちごオレと…

平野さんは？｣





｢あ、えと、コーヒーで、｣





つい目に入ったものを口にしてしまった。





………コーヒーなんて飲めないのに。

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