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「ちょ、この部屋から煙漏れとんやけど！何しとんやお前ら！」
酸欠からかコネシマさん達の声が遠くに聞こえ始めた頃、扉が盛大な音を立てて開いた。燻っていた副流煙に逃げ場が与えられた為、其れ等は綺麗な空気を汚そうと部屋の外へ出て行く。一気に入ってきた新鮮な酸素に痛苦を覚え、涕涙が頬を濡らした。
「A…はぁ、お前等2日Aに近付くの禁止な」
どうやら扉を開け放ったのはトントンさんだったようだ。首に緩く紅いマフラーを巻かれ抱き上げられる。何故マフラー…？と思ったが、ほんのりと残った彼の温かさが心地良いのでよしとしよう。
トントンさんの温容に安堵し、気疲れからか温々としたマフラーが私を眠りに誘い、目蓋がぐっと重くなった。寝ちゃって、いいかな…
「疲れたやろ、寝ていいで。部屋には連れてったるからな」
先程とは打って変わった優しい声が降ってきて、ふわりと眠りの世界に落ちていく。
ｰｰｰｰｰ何とも、不思議な夢を見た。
綿菓子みたいにふわふわしていて、冷たくて、ぽかぽかで。ソーダみたいにしゅわしゅわで、甘くて、ぱちぱちしてる夢。
私は紫色の花が咲き誇る、広大な花畑の真ん中にぽつんと座っていた。雲一つ無い青空からは優しげな日差しが降ってきて暖かいのに、花に触れた場所は凍り付くかのような錯覚を覚える。
暫く空を眺めていると、ぽつり、またぽつりと雨が降り始めた。小雨で特に気にはならなかったが、視界は段々霧で霞んで見えなくなっていく。まるで一寸先も見せない、とでも言いたげな霧に恐怖を覚え、立ち上がって走り始めた。
今思うと、何故知らない場所に居て、前も後ろも分からない状況で走ってしまったのか…きっと、混乱していたのだと思う。それで、走っていると誰かにぶつかってしまったのだ。大丈夫？と差し出された手の爪に塗られた黄色いマニキュアと懐かしい声は、完全にあの子のものだった。
夢は直ぐに消えてしまうものだと思っていたのに、全てのシーンが鮮明に思い出せた。桃色の天蓋を見ると、魔法少女だった頃が思い出されて辛い。上半身を起こすと目からぼたぼたと水が溢れ出し、ああ、泣いてるんだ、なんて呑気にゆっくりと思考回路を起動させる。
「誰か…誰でもいいから、側に居て…」
自分でも酷く消え入りそうな声だと思ったが、これが今現在の精一杯だった。シャオちゃんでも、トントンさんでも、ショッピ君でも、誰でもいい、側に居て。
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ゆう - 幸せなハッピーエンド(?)になって良かったです!! (5月22日 22時) (
レス) @page42 id: f98c154ca8 (このIDを非表示/違反報告)
はゆり - 上から目線失礼致しました (2023年4月27日 23時) (レス) id: 6422253908 (このIDを非表示/違反報告)
はゆり - ハッピーエンド感が漂ってますけどなんて言うんやろ深く？見たら意外とバッド？エンドですね！まぁ夢主ちゃんや、d！の人達が幸せなら私は何でも良いですけど。 面白い作品ありがとうございました！ 他の作品も好きです！これからも応援しています。頑張ってください (2023年4月27日 23時) (レス) @page42 id: 6422253908 (このIDを非表示/違反報告)
杏豆 - とってもおもしろかったです！素敵な作品ありがとうございました！ (2022年9月3日 11時) (レス) @page43 id: d80eb34582 (このIDを非表示/違反報告)
きつね君。(プロフ) - コメ失礼します。大好物が詰まりに詰まっていて無事昇天することができました!!素敵な作品をありがとうございます!! (2022年8月6日 6時) (レス) @page43 id: f4cd021470 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：誠
| 作者ホームページ：http://around-the-clock
作成日時：2020年7月22日 21時
