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此処で迎える、何度目の目覚めかな。甘い色の天蓋が見えて溜息を吐き、上半身を上げた。体が怠く喉は剣山でも張り付いてしまったように痛む為、きっと風邪でも引いてしまったのだろう。額に手をやると冷却シートが貼ってあって、誰かが看病してくれたのだと分かった。
「あれ、A起きたん？ぺ神は運悪く出張中やからなぁ、代わりに来たで。ほら寝んと治らんよ。」
ドアからタオルを持った赤い人が現れた。彼の声は優しげで、コネシマさんだったら頭痛がもっと酷くなりそうだったのだが、彼で良かった。熱に蝕まれた体は直ぐにベッドに馴染み、ぼんやりと虚空を眺める。涙が溢れてきて、頬を伝って枕を濡らした。きっと、熱のせい。
「ちょ、どうしたんA、どっか痛いん？やっぱしんどいよなぁ、無理させたオスマンとひとらんは今皆がしばいとるよ。ごめんな、普段は悪い奴等じゃ無いんやけど…」
あの2人には暫く会いたく無いかな、取り敢えず頷いておいた。でも、私は別に2人が怖くて泣いてるんじゃ無いんだ。熱が出ても休まず学校に行って、保健室で寝てた時に声を掛けてくれたあの子に会いたい。あの子の事を考えると余計に涙が出てきて、うつ伏せになって枕で顔を覆った。
「…寂しいんやな、ほらおいで。今は何も言わんし、何も見んかった事にしたるから泣いてええよ。高校生や言うてもまだ子供やもんな、それにあんな事があった後やし、好きなだけ泣き。」
赤い彼の腕の中に閉じ込められて、久し振りに声を上げて泣いた。
「私、帰りたいです。家でも、学校でも無くて、あの子の所へ帰りたい。お願い帰して、じゃないとあの子の隣を取られちゃう。」
服が濡れるのも厭わずに、赤い人は背中をぽんぽんと叩いてくれた。敵でも悪魔でも何でも良い、今欲しいのは誰か縋れる人、優しく、下心なく抱きしめてくれる人だ。
「…なぁA、あの子って誰？いやな、魔法少女の1人なんは分かるんよ。学校では同じクラスなん？住んでる場所は？名前って、言える？」
一瞬、心臓が止まった気がした。あの子の名前、何だっけ。違う、あの子はあの子だもん。動揺で涙も止まってしまった。魔法少女で、髪飾りの宝石は綺麗な黄色で、こんな私とずっと一緒に戦ってくれた優しい子。忘れるわけが無い、熱が邪魔して思い出せないだけなんだ。
…あの子の名前が分からなかった。
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ゆう - 幸せなハッピーエンド(?)になって良かったです!! (5月22日 22時) (
レス) @page42 id: f98c154ca8 (このIDを非表示/違反報告)
はゆり - 上から目線失礼致しました (2023年4月27日 23時) (レス) id: 6422253908 (このIDを非表示/違反報告)
はゆり - ハッピーエンド感が漂ってますけどなんて言うんやろ深く？見たら意外とバッド？エンドですね！まぁ夢主ちゃんや、d！の人達が幸せなら私は何でも良いですけど。 面白い作品ありがとうございました！ 他の作品も好きです！これからも応援しています。頑張ってください (2023年4月27日 23時) (レス) @page42 id: 6422253908 (このIDを非表示/違反報告)
杏豆 - とってもおもしろかったです！素敵な作品ありがとうございました！ (2022年9月3日 11時) (レス) @page43 id: d80eb34582 (このIDを非表示/違反報告)
きつね君。(プロフ) - コメ失礼します。大好物が詰まりに詰まっていて無事昇天することができました!!素敵な作品をありがとうございます!! (2022年8月6日 6時) (レス) @page43 id: f4cd021470 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：誠
| 作者ホームページ：http://around-the-clock
作成日時：2020年7月22日 21時
