［黄］嫌い好き大嫌い大好き［SCP-173］ ページ15
此の会社で人が死ぬ事は珍しく無いし、どちらかと言うと死刑囚の集まりであるDクラス職員と仲が良かった私の方が珍妙である。しかしDクラス職員とレッテルを貼られようとも人は人、露西亜の生まれらしく初雪の様な白銀の髪を靡かせる彼女に惹かれたのは事実だ。
死んだ彼女は、蜂蜜と砂糖を混ぜて溶かして固めて作ったべっこう飴の様に、綺麗な瞳を持った同い年の女の子だった。真偽は明らかでは無いが、母親の手術代を稼ぐ為殺しに手を染めたという彼女にどうしようもなく好意を抱いてしまって、博士から死亡届けを書くよう伝えられた時は身体の芯から凍りついて砕けてしまいそうな痛みに襲われたほど。
SCP-173が収容されているコンテナにDクラス職員と入り、いつも通り観察し記録を開始した。彼女と同じ瞳を持った、彼女とは似ても似つかない青年が壁に手を付き、首だけを此方に向けている。一見すれば唯の美青年だが、観察対象の彼こそSCP-173であり、彼女を殺した真犯人である。
「…彼女が居なくなったのは、貴方の所為なんだから」
ぽつりと、誰にも拾われないよう小さく言葉を溢した。SCP-173のコンテナに入手時は必ず3人以上でなければならない。今日共に入室したDクラス職員3人、つまり此のコンテナに居る4人全員が此奴から一瞬でも目を逸れせば、瞬く間に此奴に殺されるだろう。彼女と同じ様に。
「上が何がしたいのか全く分からない…Dクラス職員、死刑囚だとしても無駄死には推奨されていない筈なのに、私抜きで清掃をさせるなんて。指示無しで経験不足な彼等が此奴から目を離さないなんて、出来る訳がないのに」
「いや？其奴は最後まで目逸らさんかったで。Aの教育の賜物やなぁ、やけど」
目ェ合わせといたら大丈夫なんて、誰が決めたん？
耳元からぞわりと悪寒が侵入して身体中を駆け巡った。思わず驚きから足を滑らせてしまい、SCP-173を収容しているコンテナの特徴の一つである血で濡れた床に座り込んでしまう。今、誰が喋った？
『嫌い好き大嫌い大好き』はMoto42氏の『SCP-173 - 彫刻 - オリジナル』に基づきます。
http://scp-jp.wikidot.com/scpauthorssearch/OriginalSearch/SCP-173
情報提供者:わかめスープ様
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虚無虚無ぷりん - 私得が過ぎる……！！scpに愛されるだけでも幸せなのに×wrwrdとは……！！大好きです！応援してます！！ (7月8日 22時) (
レス) @page2 id: d13357cef5 (このIDを非表示/違反報告)
リンネ - 好きです！好きすぎてヤバイです！！もうほんとヤバイです。本家も忠実に再現しているし、それでもってオリジナル要素を加えるのめっちゃにがてなんでヤバイくらい羨ましいです！これからも楽しみにしてます！ヤバイ長文になってしまいました…失礼しました(手遅れ) (2022年2月19日 19時) (レス) id: 3b214b8514 (このIDを非表示/違反報告)
民草さん(プロフ) - 私得×私得でビックリしました…！あの、rbさんで、scp-5031をよろしいでしょうか？これからも頑張ってください！！ (2022年2月18日 23時) (レス) @page21 id: dc2584af8a (このIDを非表示/違反報告)
No.3 NOM - SCP-1316でshpさんどうですか？ (2021年8月23日 0時) (レス) id: 26c3a40ab4 (このIDを非表示/違反報告)
ナナシ - おぁ…こっちが語彙力喪失する…好きのど真ん中を貫かれた気持ちです、ありがとうございました！どうかお体に気をつけて！ (2021年8月9日 4時) (レス) id: 5744dc7a34 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：誠
| 作者ホームページ：http://around-the-clock
作成日時：2020年5月28日 17時
