#2 ページ12
天窓から差し込む夕日が眩しくて重い目蓋を開けた。まだ寝ていたいと思ったが此処は自分の部屋では無い。勢いよく体を起こすと未だ少しフラつくが、結構回復したようだ。そうだ、トントン君の部屋で寝落ちしたんだっけ…自身は彼のベッドに寝かされ、布団を掛けられていた。トントン君が頑張って運んでくれたのだろうか…
夕食時なので部屋から出て食堂を目指すが、全く人影が見えない。違和感で高鳴る鼓動を押さえつけて廊下を進むと、曲がり角から小さな影が顔を出した。トントン君のテディベアじゃないかと近付くが、その姿をハッキリと視認できた時、思わず短く悲鳴が漏れた。
そのクマは全身が人間の耳で構成されていた。中には見知ったピアスが付けられた物もあって、違和感が恐怖へ、確信へと変わる。角を曲がると、其処は職員の死体の山だった。皆身体中が耳にも見える腫瘍で覆われており、更に本来耳がある場所は穴が開いているだけだった。
「あ、起きたんA？こうして会えるの楽しみにしとったんよ」
声が聞こえて振り向くと、其処にはトントン君、だと思われる男性が立っていた。七三分けの黒髪に石榴の瞳、それに赤いマフラー。加えて持っているテディベアは間違い無くscp-1048だ。
「なぁ、そんな警戒せんでや…俺、頑張ったんやで。Aの睡眠不足と疲労の原因の芽を全部摘んできたんや！褒めてくれるよな…？」
親が褒めてくれるのを待つ子供のような表情を浮かべるトントン君にそっと近付いて、先程の様に優しく撫でる。半ば本能的な行動だった。彼の横に居る全身刃物で出来たテディベアと、赤子の泣き声をあげる其れが怖くて、彼の頭に乗せた手は震えていた。
「怖いん？大丈夫やで、此奴等俺の眷属やから。あ、もしかして子供苦手やった…？子供ってどんな感じなんかなぁと思って作ってみたんやけど。」
平気だよ、と小さく溢した。最近##博士が妊娠したと聞いたけれど、赤ちゃん無事かな。まさか博士のお腹の子じゃ無いよね。考える度に頬が引き攣って視界が涙でボヤけた。トントン君はそんな私を、まるでガラス細工を扱うかの様にそっと抱き上げた。
「よかった、Aが子供嫌いやったらどないしようって思っとったんよ。子供は早いか…せやな、まだ2人で居るのがええよな。」
左手をとられて、薬指の根本に赤いクレヨンを当てられた。そのままクレヨンはグルリと一周し、指輪の様にも、赤い糸にも見えるものが完成する。
「やっと赤いクレヨン使えたわ」
［桃］おやすみ、君の街［SCP-1214-JP］→←［赤］明日は何して遊ぼっか［scp-1048］
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虚無虚無ぷりん - 私得が過ぎる……！！scpに愛されるだけでも幸せなのに×wrwrdとは……！！大好きです！応援してます！！ (7月8日 22時) (
レス) @page2 id: d13357cef5 (このIDを非表示/違反報告)
リンネ - 好きです！好きすぎてヤバイです！！もうほんとヤバイです。本家も忠実に再現しているし、それでもってオリジナル要素を加えるのめっちゃにがてなんでヤバイくらい羨ましいです！これからも楽しみにしてます！ヤバイ長文になってしまいました…失礼しました(手遅れ) (2022年2月19日 19時) (レス) id: 3b214b8514 (このIDを非表示/違反報告)
民草さん(プロフ) - 私得×私得でビックリしました…！あの、rbさんで、scp-5031をよろしいでしょうか？これからも頑張ってください！！ (2022年2月18日 23時) (レス) @page21 id: dc2584af8a (このIDを非表示/違反報告)
No.3 NOM - SCP-1316でshpさんどうですか？ (2021年8月23日 0時) (レス) id: 26c3a40ab4 (このIDを非表示/違反報告)
ナナシ - おぁ…こっちが語彙力喪失する…好きのど真ん中を貫かれた気持ちです、ありがとうございました！どうかお体に気をつけて！ (2021年8月9日 4時) (レス) id: 5744dc7a34 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：誠
| 作者ホームページ：http://around-the-clock
作成日時：2020年5月28日 17時
