［d！］人体標本［ヤンデレ］

［紫］天使を捕まえた話 ページ5

天使を捕まえた。いや捕まえたんじゃ無いわ、保護した。つい先日まで勃発していた##国との戦争中、敵国の城の近くにある塔の上で彼女を見つけたのだ。

綺麗な薄いブロンドヘアに、光が差し込む海中のように透き通った碧眼。そして、頭上に浮かぶ物理学に反した天使の輪に、背中に生えている小さな羽根。

一目見て、彼女は天使だと分かった。そして、敵兵を撃ち抜き血塗れのワイに笑いかけてくれた彼女を欲しいと思ったんよな。幼女趣味だと揶揄われる事はあるが、決して彼女が幼い天使だから欲しいんじゃ無い。何も知らない純粋無垢な彼女の世界を、ワイだけで構成出来たらどれだけええやろうなぁと思って。

そして彼女をこっそりと自国へ連れて帰って、あまり使わない、城下に構えた家へ閉じ込めた。閉じ込めたっていうのはちょっと人聞きが悪いっすね、そう、汚い奴らから匿ってるんです。彼女を汚していいのはワイだけであって、他の誰でもないんですわ。

さて、独り言もこれくらいにして、天使サマを起こしに行かんと。

彼女が眠るベッドに降り注ぐ天蓋を退けて、額にそっとキスを落とした。額の次は頬、頬の次は瞼。それでも起きないので口にすると、やっとお姫様は眠りから目覚める。ほんまかわええ…

「おはようしょっぴお兄ちゃん…」

「おはようA。朝ご飯もうできとるから、お兄ちゃんと一緒に食べような。Aの為に甘いオムレツ作ったんすよ。ご飯食べたらお着替えして、絵本読んでお兄ちゃんの帰り待っとってな。勿論ご飯も着替えもお兄ちゃんに全部任せてくれればええよ」

さらりと頬を撫でると、もっと、と強請るように擦り寄ってきた。滅茶苦茶にしてしまいたい衝動を抑え込んで、ドス黒い感情を悟られないように優しく撫で続ける。

「今日もかわいいすね、愛してます」

わたしも愛してるよ、と寝起きで呂律が回っていない幼い返事に満足して、彼女を抱き上げた。愛しい愛しいワイの天使サマ。いつか羽根を捥いで輪っかを割って、天になんて帰らんでええようにしたるからな。

［赤］幸せの表側　*注意→←#

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