［青］人狼陣営から狂人募集のお知らせ ページ18
クローゼットの中で震えていた。霊媒師という役職持ちの白確なんて人狼陣営の格好の餌に決まっている。1人、また1人と村に響く声が減っていく。預言者は2人。どちらかは人狼陣営なのだろう。本音を言うとどちらかに亡くなってもらい、霊媒の能力を使いたいが、狂人と村人の区別はつかないため意味は為さないだろうな。
近くでガチャガチャとドアが開く音がする。人狼か、はたまた預言者を騙った狂人か、白確なんて見つかったが最後、瞬殺される。お願い、来ないで。
そんな願いも虚しく、私が篭っているクローゼットがある部屋の扉が開かれた。足音から察するに誰かは真っ直ぐクローゼットに向かって来ているようだ。やめて、開け、ないで
「Aちゃん！」
開けたのは大先生だった。普段から涼しい顔をしている彼が額に汗を浮かべ、切羽詰まった様子で私を横抱きにしクローゼットから出す。
「Aちゃん、場所移動しような。ゾムは人狼陣営確定や。
エミさん殺すの見てもうた。多分今度はこっち探しに来るんよ。」
大先生はヒョロそうに見えるが、ふらつくことなくしっかりと私を抱え、裏口から出て地下道へと走った。
「もうええかな、Aちゃんには何とか生き残ってもらわんといけんからなぁ…
信じられんかもしれへんけど、多分人狼はゾムとトントンや。
狂人は分からへんけど…さっきから預言者候補2人の声がせんやろ。
纏めてやられてしもうたんかなぁ」
大先生はそういうと私にトーテムを差し出した。大先生が人狼なら私をもう殺っているだろうし、何よりトーテムを渡す意味なんてない。大先生は信用できそうだ。
ありがとう、とお礼を述べトーテムをキュッと握りしめた。大先生が頭を撫でてくれる。
「僕、ゾムと戦ってくるわ。
ゾムもトントンも戦闘スキルが高い、どっちかでも削らんと。」
そう言って立ち上がる大先生のスーツを掴んだ。
「待って、行かないで。一緒にここに居よう？」
引き留めた手はやんわり剥がされて、トーテムを握らされた。
「大丈夫やで、Aちゃん。あ、スプラッシュポーション貰ってもええ？
ちゃんと戻って来るから、ここから一歩も動かんでな。」
大先生は優しく笑みを浮かべ、地上へと向かっていった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1150人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「wrwrd」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ロイエ - やばい、同志がここに居た。(本音:ヤンデレ大好き！逆ハー万歳！！)はい。 (2022年1月10日 23時) (
レス) id: 32127d00d4 (このIDを非表示/違反報告)
誠(プロフ) - マイソさん» 是非しましょう((( (2021年1月24日 14時) (レス) id: b57bb5d927 (このIDを非表示/違反報告)
マイソ - あああわかります。じわじわきて捕まる。それが萌えるんじゃぁ…趣味が合いすぎます。結婚して彼らのこといっぱい話しません(( (2021年1月16日 23時) (レス) id: 05f946baf6 (このIDを非表示/違反報告)
誠(プロフ) - 地稲さん» きっと美味しいです炭なんて作らないよ(震え声)そう言って頂けて嬉しいです！ (2020年8月1日 21時) (レス) id: d6a456411c (このIDを非表示/違反報告)
地稲(プロフ) - 妖精さん妖精さん…。眉毛英国紳士ポジは彼なんですね分かります。いやぁ彼の作る料理は美味しいんだろうなぁ(震え声)共依存は大好物ですありがとうございます。 (2020年8月1日 15時) (レス) id: a7f6c2fae7 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：誠
| 作者ホームページ：http://around-the-clock
作成日時：2020年5月25日 3時
