［黒］肩代わりさんの幸せ生活 ページ40
私は今、立派な日本邸の最奥に位置する一室に居る。此処のリーダーであるグルッペンさんの部屋だ。リーダーというのは少し変だが、このお屋敷で一番偉い人、ヤクザのお頭さんらしい。
私は唯の高校生だったのに。確かに、毎日のようにギャンブルへ明け暮れる父と、夜に街へ赴く母を持ってはいる。生活補助を受けないといけないような家庭環境ではあったが、学校からは成績上位者でぁる証、特待生の称号を貰い学費には困らなかった。友達は優しく、機嫌が悪かった父に殴られた日には泊めてくれるような親友もいた。
今日家に帰ると、家の前に黒いスーツに身を包んだお兄さんがいた。目が合うと名前を確認され、圧に負けてしまった私はいけないと分かりつつも首を縦に振ってしまったのだ。そこからの展開は早かった。腕を掴まれ近くに停めてあった車に押し込まれた。車の中のもう1人に口を塞がれ、抵抗も虚しく車はエンジン音を奏でた。
車の中で理解した、売られたのだ、実の親に。案の定予想は当たっていて、私の口を塞いだ、七三分けをした赤い目のお兄さんに、全て聞かされた。後の事はよく覚えていない。
これから何をされるんだろう。着替えさせられた黒のレース素材のワンピースの胸元をキュッと掴み、自分の未来を思案した。…きっと、相手、させられるんだろうな。奥に敷かれた布団がそれを物語っている。遂に我慢していた涙が限界を超えて、ぼろぼろと堰を切ったように溢れた。
嗚咽が漏れ始めた頃、襖がすっと開けられた。グルッペンさんだろう。横を向いて石榴のような目と視線が合うとびく、っと肩が跳ね上がるのが分かった。銀フレームの奥から刺さる視線が怖くて、また涙が頬を濡らした。まずい、どうにか涙を止めようと目を擦る。
「そんなに擦ると腫れてしまうゾ」
グルッペンさんに擦っていた右手を彼のそれで絡め取られ、涙をハンカチで優しく拭われた。背中をさすられ、呼吸が安定してくる。涙が止まったのを確認され、満足そうに目尻に口付けを落とされた。
「心配しなくても、怖い事はしないからな。約束しよう。
彼奴、布団なんか敷きやがって。Aが不安になるやろ。」
グルッペンさんは部屋に備え付けてあるらしい冷蔵庫からペットボトルに入ったお水を取り出して、態々封を開けて私に手渡してくれた。
「飲んで少し落ち着こう、悪かったな。
いきなり連れてこられた部屋に布団なんかあったら怖いわな。」
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ロイエ - やばい、同志がここに居た。(本音:ヤンデレ大好き！逆ハー万歳！！)はい。 (2022年1月10日 23時) (
レス) id: 32127d00d4 (このIDを非表示/違反報告)
誠(プロフ) - マイソさん» 是非しましょう((( (2021年1月24日 14時) (レス) id: b57bb5d927 (このIDを非表示/違反報告)
マイソ - あああわかります。じわじわきて捕まる。それが萌えるんじゃぁ…趣味が合いすぎます。結婚して彼らのこといっぱい話しません(( (2021年1月16日 23時) (レス) id: 05f946baf6 (このIDを非表示/違反報告)
誠(プロフ) - 地稲さん» きっと美味しいです炭なんて作らないよ(震え声)そう言って頂けて嬉しいです！ (2020年8月1日 21時) (レス) id: d6a456411c (このIDを非表示/違反報告)
地稲(プロフ) - 妖精さん妖精さん…。眉毛英国紳士ポジは彼なんですね分かります。いやぁ彼の作る料理は美味しいんだろうなぁ(震え声)共依存は大好物ですありがとうございます。 (2020年8月1日 15時) (レス) id: a7f6c2fae7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：誠
| 作者ホームページ：http://around-the-clock
作成日時：2020年5月25日 3時
