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117th Love ページ23

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唇に触れるものが何かも分からないほど私も鈍感ではない。



彼の前髪が私の顔にかかって、前髪の奥にある大きな瞳は綺麗に閉じられていて、離れられないように後頭部を支えられていて。





ブワリとお酒の匂いがした。





お互いの顔が離れて、勇征くんの顔が私の顔を覗いた。



その瞳は憂いを帯びていて、今にも消えそうで儚い。





「………………ねぇ、なんで、?」



勇征「ごめん、」






私の頬を涙が伝った。


勇征くんは慌てたように私の涙を拭おうとしてくれるけど、それも嫌で、伸びてきた手を瞬発的に振り払ってしまう。





勇征「、果歩さん…」



「どうして、こうなるの、」





溢れ出してしまった涙は止まらない。



もう何が何だか分からなくて、それなのにちゃんと苦しくて辛くて。



私が何をしたっていうんだろう。





「もっと早くに好きって言ってればよかった!?慎に会わせなければよかった!?、、私がちゃんと返事しなかったから、?」



勇征「果歩さん、ごめん、、」





勇征くんに再び抱きしめられたけど、抵抗する気力も失くした私はだらしなくもたれ掛かることしかできない。






苦しそうな表情と声で私に謝る勇征くんに心の中で懺悔した。





こんな風になるつもりじゃなかった。



こんなこと言うつもりもなかった。



こんな顔をさせたかった訳でもなかったし、こんな声で謝らせるつもりでもなかった。





泣きすぎてなのか、勇征くんに力一杯抱き締められているからなのか、体内に酸素をしっかりと取り込むことが出来なくて息が苦しくなってくる。



そんな私の背中を擦りながら、まだでも謝ってくれる勇征くん。





もう謝らないで。





そんな思いを込めて彼の腕を掴むと、背中を擦っていた手をゆっくりと止めて私の顔を覗き込んだ。



先程までの彼と今の彼が少し違って見えるのはきっと、酔いが覚めたからなんて理由じゃない。



しっかりと光がある、その黒い瞳から目が離せなかった。





正確に言えば、目を離したくなかった。





彼の目が少し赤らんでいるのは私と一緒に泣いてくれたからなのかもしれない。



勇征くんの顔が少しずつ近付いてきて、









私が避ける間もなく。





________避けることなく、再び重なった。





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nadegata_love0(プロフ) - こんにちは!初めまして!このお話ここまで読んできてすごく好きで続きがすごく気になるのですがもう書かれることはありませんか? (2021年3月5日 0時) (レス) id: 4832a1264c (このIDを非表示/違反報告)
るぶ(プロフ) - 続き気になります。更新待ってます! (2020年8月14日 18時) (レス) id: 6e3ccbc5ee (このIDを非表示/違反報告)
ゆん(プロフ) - しんどいです(涙)いっちゃん素敵でした、、、、こんなに辛い思いしてるのに、、、、早く幸せになって欲しい、、、、これからも更新楽しみにしてます!! (2020年6月5日 23時) (レス) id: 32eabf2622 (このIDを非表示/違反報告)
もも(プロフ) - ほんと辛いですね。村崎さん?ほんま邪魔者やぁあ!meとまこの関係を崩すなぁあ泣 (2020年5月31日 5時) (レス) id: cb4bf61be0 (このIDを非表示/違反報告)
lulu.etoile(プロフ) - ゆみさん» 樹くんは細かい所までしっかり見てるんです!(持論) (2020年5月26日 22時) (レス) id: 7fe182f52c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:lulu.etoile | 作成日時:2020年5月12日 21時

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