すれ違う2つの心は

65th Love ページ19

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凄く良かった！





ブースの中で歌い終わって外に出てみると周りにいた人たちみんなに拍手をされた。



歌う前に北人くんや壱馬くんと歌詞の意味について話したからかもしれない。





愛してるの意味。



そんなの人それぞれだと思うけど、私があの言葉の意味を後悔だと捉えたのはどうしてだろう。



きっと、そんなの考え始めたらキリがない。



でも、やっぱり自分の気持ちはしっかり伝えた方がいいんだな、って思った。



勇征くんの件だって答えを出さないといけないし、慎のことだってこれが恋なのか友情なのか、はっきりさせたい。





『鈴村さん！』



「はい？」





突然の呼び掛けに誰かと思えば、毎回レコーディングでお世話になっているスタッフさん。



レコーディングの時に話すことはよくあるけど、それ以外で話しかけられるのは初めて。





ブースに忘れ物したかな？まだ仕事残ってたっけ？



「何かありましたっけ？」



『違いますよ！私からちょっとだけ提案があって』



「提案？」



『はい。鈴村さん、歌詞書いてみませんか？』





やったことのない初めての体験。



今までにボーカル組で作詞してみたいねって話はしたことがあった。



でも、まさかこのタイミングで来るとは思ってなかった。





「私にできると思います？」



『何言ってるんですか！できますよ！私、鈴村さんの感情が溢れるような歌い方が大好きなんです。絶対素敵な歌詞ができると思うんです』





感情が溢れるような歌い方。



そんなこと初めて言われたけど、私の気持ちが伝わっていることが嬉しかった。





ぜひ書いて見てください。



それだけ言って戻っていったスタッフさん。





「……書いてみる価値は、あるか、」









ひとり廊下に突っ立っていると、再び後ろから足音。





壱馬「果歩」



「壱馬くん」



壱馬「なぁ、傘持っとる？」



「持ってるよ？今日天気悪そうだったし」



壱馬「入れて！」





今日は壱馬くんと一緒に相合傘をして帰ることになりそうです。



全国の壱馬くんファンのみなさん、どうか嫉妬はしないでください。





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