93rd Love ページ48
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「……………山彰さん、」
山彰「早く」
「緊張しすぎて手が震えるんです」
慎が住むマンション。
慎の部屋のインターホンの前に山彰さんと2人。
ついさっきRAMPAGEは17人だって再確認して勇気を持ってやって来たというのに、目の前に来るとやっぱり緊張が逆戻り。
山彰「さっき緊張解してあげたじゃん」
「山彰さん、押してください、」
山彰「はぁ?嫌だし。俺は付き添いで来たの。何も口出すつもりないからね」
「………………それ、来た意味あります?」
山彰「一緒に来てもらえただけありがたいと思え」
さっき優しいし頼りになるって言ったけど前言撤回。
全然優しくない。
インターホンくらい押してくれていいじゃんか。
まぁ確かに一緒に居てくれてるだけで安心感はあるけど?
それ以上に今の私の頭の中、慎に拒否られたらどうしようってのでいっぱいいっぱいなんですけど。
山彰「もう帰るよ?俺」
「………自分で着いてきたくせに」
山彰「………………………帰るわ、」
「いやいやいやいや、待って待って」
そう言って来た道を戻ろうと踵を返した山彰さんのパーカーのフードを慌てて掴む。
ほんとに帰りかねないよ、この人。
首締まるんですけど、と私を睨む山彰さんに、今すぐ押しますと叫んで指先に全神経を集中させる。
ここで帰られてしまったらほんとに身動きが取れなくなるから。
まぁ勢いよく押したところで音量が変わるわけでもメロディーが変わるわけでもない。
『ピンポーン』と軽い音が鳴った。
山彰「ねえ、インターホン壊れるから。凹んだらどうするつもりだったの」
「私そんな馬鹿力持ってません」
山彰「だとしてもそんなに強く押す必要ないでしょーが」
「指先が震えないようにしたんです」
山彰「指先の震えとインターホンどっちが大事なの」
「凹んでないからいいじゃないですか」
山彰「もしもの話をしてるんだけど。俺が求めてるのは結果論じゃありません」
「そうやって意味の分からないとこで頭の回転がいいんですよね、山彰さんって」
『……あの、恥ずかしいんでインターホンの前で言い合いしないで貰えます?』
「…え、慎?」
『俺の部屋のインターホン押したくせに何言ってんの』
「あ、ごめん」
山彰さんと阿呆みたいな会話を繰り広げていると急に喋りだしたインターホン。
私たちの会話を聞いていたらしく、迷惑そうに返事をされた。
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如月亜莉亜(プロフ) - ものすごく続きが気になってしまいますねこのお話 これからも更新頑張ってください! (2020年5月12日 7時) (レス) id: cba40d4c9c (このIDを非表示/違反報告)
ゆーりん(プロフ) - 何度も申し訳ないです!あくまで私の妄想ですので、ルルさんの書いていくストーリーを楽しみにしております!^^ (2020年4月3日 10時) (レス) id: 2d56bc9a3d (このIDを非表示/違反報告)
ゆーりん(プロフ) - 「作者より」のページも読ませて頂きました!ルルさん☆私、慎推しですがその次は山彰が好きでして( ^ω^ )なのでルルさん提案の山彰賛成です☆主人公ちゃんがルートCで、山彰との絆もあったりして山彰リスペクト&ヒーローだったら素敵だなって思っちゃいました^^ (2020年4月3日 10時) (レス) id: 2d56bc9a3d (このIDを非表示/違反報告)
ゆあ(プロフ) - まこ、、心が痛い (2020年4月3日 2時) (レス) id: 0e803c254a (このIDを非表示/違反報告)
ゆーりん(プロフ) - お返事ありがとうございます!物語がゆっくり詳しく進んでいくのが凄く嬉しいです☆キュンキュンでワクワクで最高です!これからも楽しみにしていますね!更新頑張って下さい☆応援しています!^^ (2020年4月2日 8時) (レス) id: 2d56bc9a3d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:lulu.etoile | 作成日時:2020年3月20日 20時