すれ違う2つの心は

89th Love ページ44

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side...Rui





複雑な気持ちを抱きながら始まった苦しい武者修行。





今までで1番ハードな武者修行。



周りとの親交を深めようなんて考える暇もなく、ただただ汗水を流し続けるだけ。





体調不良者なんて何回も出た。



熱中症。過度なトレーニングでの負傷。肉体的、精神的ストレスでのダメージ。



何回だって辞めたいと思ったし、こんなにキツイんならダンサーの夢なんて諦めようかなとも思った。



でも。それでも俺が心に炎を燃やし続けていたのは果歩の存在があったから。



どんなにきつい練習でも果歩は文句も言わず着いてきた。



そのストイックさにはきっと「女だからって舐めないで」って気持ちが込められてたんだと思う。



そんな果歩を見てると、自分も負けてられない、そんな気持ちになった。









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RAMPAGEに正式加入もして、やっと夢が叶うって時にやって来た活動休止。



17人。



その人数の多さが俺たちの壁となって立ちはだかった。





そして、そんな壁を解消するために始まったまた更に苦しい合宿。



あの頃の自分たちに「仲間と一緒に」なんて概念は無くて。



自分のことに精一杯だった。









『仲間との意識が足りない』





そう指摘された時にに果歩がぽつりと言った一言は今でもずっと覚えてるし、この先忘れることも絶対ない。





「このメンバーでじゃなきゃ踊りたくもないし歌いたくもない」





果歩のあの言葉は今の俺たちを作るキッカケににもなったし、あの時の俺たちの心を苦しくさせるものでもあった。





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