21st Love ページ22
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結局、あの後、あきちゃんは直ぐ帰って行ったから、多分私の事励ますために来たんだろうな。
最近、SNSも更新してなかったし。
今日は気分的に徒歩だったから、徒歩出勤。
事務所に入ると、受付嬢のお姉さんがびっくりした顔でこっちを見る。
受付嬢「果歩ちゃん!久しぶりに来たと思ったら顔色悪いけど大丈夫!?」
「えー、そんなにやばいですか?」
受付嬢「メンバーの皆さん心配してたからね、頑張ってね」
こんな優しい受付嬢さんがいることでまた励まされるよね。
私の素敵なお姉さん。
今日の集合場所だけ教えてもらって、ゆっくりと進む。
手に持つのは大きなダンボール箱。
すれ違うスタッフさんに『なんだこの荷物は』みたいな顔で見られて、
なんなら、手伝いましょうか、なんて言う人もいる。
でも、まぁ、見られたくないものが入っているわけだから丁重にお断り。
よいしょよいしょ、とダンボールを運んで、やっとの事で辿り着いた楽屋。
「緊張するな〜、怒られないかなぁ、」
皆に怒られないか、嫌われないか、呆れられないか、見放されないか。
不安はいっぱいで、悪いことばかり頭をよぎる。
でも、そんな時に思い出すのはお兄ちゃんの言葉で。
「よし………行くか、」
やっぱり私にとって、お兄ちゃんは頼りになる存在で、いつも辛い時は助けられてる。
扉を開けようとドアノブに手をかけるも、緊張や不安のせいで、ダンボールに顔を隠してしまう。
ゆっくりとドアを開けて、ダンボールから隠していた顔を少しだけ出して楽屋を覗く。
もう既に他のメンバーは揃っていて、こちらに視線を向けてる。
「……おはよう、ございます、」
思った以上に声が出なくて少し上ずった声だったけど、メンバーにはちゃんと届いてたみたいで。
陸「おー!!やっときた!!!」
北人「果歩!!!」
龍「俺心配したんだよ!」
陣「良かった!全く連絡つかんから心配してたで!」
翔吾「おかえり!果歩!」
みんな口々に挨拶を返してくれて、思わず涙腺が緩んでしまう。
でも、まだ泣くには早くて……。
ちゃんと言わないと。
皆に本当の事を話そうと覚悟した時、あきちゃんの励ます声が聞こえた気がした。
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lulu.etoile(プロフ) - ゆあさん» ありがとうございます!もうすぐ第2弾に移行するのでそちらも是非読んでください! (2020年3月17日 21時) (レス) id: 7fe182f52c (このIDを非表示/違反報告)
lulu.etoile(プロフ) - すっごく嬉しいけど結ばれるのまだまだ先かもです!それまで読んでいただけたら嬉しいなって思います! (2020年3月17日 21時) (レス) id: 7fe182f52c (このIDを非表示/違反報告)
lulu.etoile(プロフ) - ゆみさん» 嬉しいです!頑張ります! (2020年3月17日 21時) (レス) id: 7fe182f52c (このIDを非表示/違反報告)
ゆあ(プロフ) - うわ、いい!! (2020年3月17日 2時) (レス) id: 0e803c254a (このIDを非表示/違反報告)
ef(プロフ) - もう早く結ばれてほしいです! (2020年3月16日 22時) (レス) id: 4813a6b67d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:lulu.etoile | 作成日時:2020年3月3日 20時